第6話 幼児化現象
皆でこの鏡の正体についてしばらくあれこれ言いあっていると急に鏡が光り出した。
「うわっ! なんだ!?」
「きゃっ!!」
主に動揺したのは、俺とマリンちゃんだけだったみたいだけど。
他の連中は冷静すぎるだろ。
教徒事件で鍛えられたのかな。
すると、光につつまれていくうちに、人の気配が薄らいでいくような気がした。
具体的には横にいた奴が、ふっと消えるような感覚だ。
って、それじゃわかんないか。
現実世界でそんな事あったら、怖いだろうし。
普通そんな経験んねぇよって思うし、俺もない。
でも、他に説明できる言葉がないんだよな。
ともかくそんな感じとしか言いようがない。
だんだん光が弱くなっていった。
で、次に目が覚めたら、鏡はなくなっていて。
あっちこっちキョロキョロ。
なんだ。
今の唐突なイベント一体、どういう意味があったんだよ。
体に特に外傷はないから、なんかの攻撃だったわけでもなさそうだし。
そう思って、他の者達の反応を窺おうとしたら。
横に人がいなかった。
ん?
と、思って視線をさげるとそこにはいた。
子供が。
こ ど も が。
「はぁ?」
ど、どういう事?
なんか、いやに見たことのある感じのする子供が二人いるんだけど。
具体的には攻略対象の二人。
ミュクゼとアウルに。
首をかしげていたら、フレオンがつぶやいた。
鼻をすんすんさせながら。
「これ、ミュクゼとアウルみたいだよ」
え、
えぇぇぇぇぇ!
臭い分かるんか!
こんなのイベントになかったけど!
まさかの幼児化!?
ヘンな鏡が消えた後ミュクゼとアウルが子供の姿にって、どういうあれだよ。
とうぜん、俺達は混乱した。
とりあえず分かっている事を整理しようか。
マリンちゃんが、呆然としている二人に話しかけて、色々聞き出してくれたから。
子供ミュクゼと子供アウルは、二人共にトラウマを受け付けられた直後までの記憶しかもっていないらしい。
学生時代の記憶はさっぱり消えてしまったようだ。
人格も子供になってるって事か。
こうなった彼らを、これからどうすべきか。
もとに戻せるのか?
一生このままって事はないよな?
こんな事誰かに相談したって、まともにとりあってもらえるわけがない。
でも、いつまでも戻らないと皆が心配するしな。
「とりあえず旧校舎まで戻るか。お前達もついてきてくれよ」
「……」「……」
幼児化した二人をつれて、旧校舎まで戻る事にした。




