第3話 不信感
からまれていた生徒達はお礼を言って、去っていった。
絡んでいたヤツらには、ミュクゼからも後できついお叱りを受けてもらおう。
こわくてまじめな生徒会長に脅されれば、そうそう人を傷つけるような話を言いふらしたりはしないはずだ。
アウルはため息をついた。
「まったく、今まで普通の顔をしていた人間でも、連中はこうだ」
「過去になにかあったって顔だな」
めちゃくちゃ気になるけど、それ聞いて良い話?
「何でもない事です。ずっと同じ職場で働いていた人間にも冷たくなれる、そんな人間には世の中にはいるんでしょう」
その話って、たぶん運命の修正力で修正されちゃったアウルの過去の事だよな。
やっぱり、原作に近い事が起こったのか。
それで、人間不信中になってるって感じか。
アウルは、あんまり他の連中と絡まないからな。
ミュクゼやアウルとか、あとマリンちゃんとはよく絡んでるけど、クラスメイトでもあんまり話しかけたりとかしないし。
ミュクゼと違って今すぐどうこうなるってわけじゃなさそうだけど、何とかしてやれないかな。
きっとアウルは、「吸血鬼だってばれたら、皆は離れてくはず」……そう思ってるままなんだろうな。




