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第3話 一筋縄ではいかない



 自分の部屋にもどった俺は、宿題もやらずに原作ストーリーをまとめたノートを眺めていた。


 俺の考えが正しければ、ミュクゼの復讐をなんとかできるかもしれない。


 ゲームにあった過去エピソードでは、誰かの視点ではない第三者視点のエピソードがあった。


 そこで、両親達は殺される前に息子の幸せを願っていたのだ。


 修正されたといっても、そこが変わるはずがない。


 運命が多少変わったくらいでは、親が子供の幸福を願う気持ちは変わったりしないのだ。


 なら、その時そのばにいた者達なら、記録をとっているかもしれない。


 そういうわけで、俺はミュクゼに脅されていた生徒の元を訪れた。


 分かりやすく、さくっと本題を話すぞ。


「というわけで、ミュクゼに殺されたくなかったら、記録帳を提出するんだ」

「できるわけないだろ、掟にふれる重要なものだぞ。ていうかなんでそんな物の存在しってるんだ」


 だめか。

 だよな。


 命か掟かっていったら、まよわず掟っていう連中だもんな。


 ん?森から出てはならないという掟の為に、掟をやぶった奴を追手森から出るって、本末てんとうじゃないか?


「エルフって……お前ら、頭がいいふりして実は馬鹿なんじゃ」

「何だと!」


 あっ、やば、怒らせちゃった。


「お前に何が分かるんだ、人目をしのんでいきのびなればならなかったエルフ達の苦しみが」


 いや、知らないから。

 そこは設定資料集に書いてなかったんだよな。


 教えてくれると助かる。


「俺達エルフは! 人間の資源集めのために、隠れ里を焼かれてるんだぞ! エルフがよくあつまる場所には豊富な資源が眠るってそんな、嘘っぱちを信じた連中に!」


 おう、重い過去だな。


 そんな事情があるなら、人間とは関わりたくないって連中も出てくるはずだ。


 誰が悪いとか、一概には言えなくなっちまった。


 人間をひとまとめにして掟を作った奴等も悪いけど、そう思う理由も分かる。

 そんなエルフの習慣に嫌気がさしたからって、掟を変える働きをせず、ただ掟を破ったミュクゼの両親も悪いけれど、彼等の気持ちも分かる。

 エルフの奴らの言い分を信じ込んでいるこいつも悪いけれど、子供の頃からずっとそう聞かされていたなら、強く思い込んでしまうと言うのも分かるんだよな。全部とはいえないけど。


 これ、一筋縄ではいかないな。



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