第1話 いきなり修羅場
はいみなさん。
突然ですが、修羅場に出くわしたことはありますか。
俺はあります。
たった今だけど。
「お前は、父と母の敵だ。何か言い残す事はあるか」
学校の裏庭を歩いていたら、いきなり修羅場にでくわしてしまった。
ミュクゼが生徒を脅してる。
おそらく、過去エピソード関係なんだろうな。
ミュクゼはいつになく怖い顔だ。
教徒関係以外で大問題が起きるとは思わなかったな。
俺はとりあえず、割って入る。
「何があったんだ。何か喧嘩でも起きたのか?」
「君は、君には関係のない事だ。校内にもどりたまえ」
いや、この状況で戻ったら、そこの生徒ボコボコにされちゃうじゃん。
ミュクゼ殺気放ってるし。
場合によっては、死者が一人でかねないこの場面を放っておけえるわけがない。
「とりあえず、校内で流血沙汰話って事にしないか?退学になったら、友達が悲しむ」
俺も悲しむし、割とがっがり。
だから、ほら、ね?
言いたい事はわかるだろ?
「そうか」
ミュクゼは一応、敵意を控えめに調整してくれた。
「さっさといけ」
狙われた男子生徒は、顔を真っ青にしてその場から立ち去っていく。
完全になくしたわけじゃない所が、根が深そう。
親を誰かに殺された記憶なんてないから、復讐をやめろだなんて言えない。
根本的な所で、俺はミュクゼの気持ちを分かってやれないからな。
これ、どうやって解決すりゃいいんだ。




