第3話 盲目すぎる女子生徒
そして、とりあえずストーカーの様子を観察してみる事にした。
敵を倒すなら、まず知らないといけないし。
いや、倒さないけど。
そしたら、さっそくだ。
「フレオン君、なんて素敵な人」
フレオンが、男子生徒の荷物を持ってやっている。
それを見たストーカーちゃんが、その後方でうっとりしていた。
頬を染めて、他の人間の事はまるで目に入らないみたいだ。
周りから「何やってるんだろう」みたいな目をむけられて、怪しまれても気が付いていない。
俺はすかさず話しかけようとしたのだが。
「あっ、フレオン君が行っちゃう! おいかけないと!」
すたたたたっ!
「忍者か!」みたいな足でその場からさっそうと移動していってしまった。
今度は回り込んで前から観察するらしい。
離脱がはやかったな。
まあ、いい。
つぎの機会をまとう。
そしたら、さほど待たなくて済んだ。
だって、フレオンの近くにいるし。
「フレオン君、なんていい人」
今度はフレオンが廊下に落ちているゴミを拾っている所に遭遇。
ストーカーちゃんの声がしたので、探すのだが。
いねぇ!
えっ、人影がないんだけど、
どこだ!
苦労して声の出所を探すと、掃除道具入れの中からしていることに気が付いた。
えっ、ホラー?
その行動はちょっと引くよ。
恋は盲目だっていうけど、盲目すぎるだろ!
うっ、これを開けるのはちょっと。
おそるおそる近づいてためらっていたら、ドアが勢いよく開いて、何かが飛び出てきた。
「ぐはあ!」
おでこに9999のダメージ!!
真っ赤な色でダメージの数字が頭上に表示されてるような気分だ。
そんな感じでうずくまっていたので、忠告するどころじゃなかったよ。




