第3話 共同作業
子供の頃から参加してるのでもう慣れたけど、初めて見たときはケーキの大きさにびびったな。
で、ケーキと言えば卵だ!
大量の卵が必要になる。
この時ばかりは、ライバル養鶏場との闘いは無し(向こうははりあってないようだけど)!
一つの養鶏場だけだと卵が足りなくなっちまうからな。
そうなったら大勢の町人達が悲しんでしまう。
この時期になると、必ず二つの養鶏場が総出で卵を提供するのだ。
というわけで、俺も働いているぞ。
「こけっ」「こけけっ」「こおおおっけ!」
「いてててて、こらやめろ鳥の分際で、卵さっさとよこせ!」
鳥畜生に群がられながら、汗水ながしてせっせと労働。
シグナ君に任せきりで普段は手伝わない俺も、作業に参加してる最中だった。
久しぶりなもんだから、だいぶ鳥畜生につつかれてしまった。
「いててててっ、おいこら。調子のんな鳥の分際で!」
弟分は順調に卵を収穫してるっていうのに。
「兄ちゃんはあいかわらず、鳥と仲が悪いよな。この間だってカラスにフン落とされてたし」
「ああ、あいつはむかついた。あれと比べれば、こいつらの方がまだマシだな。あいつら空飛んでるから、反撃できないし」
「そんなにつつかれてるのに、こっちの方がマシなんだ」
あたりまえじゃないか。
前世の因縁を考えれば、地べたを這うしか能のない鶏野郎なんて可愛いもんだ。
「こけぇぇぇぇぇ!」
「いてててててっ。だからやめろって!」




