第2話 毎年恒例のイベント
学校に入学して春がきて、秋がすぎて、冬になった。
雪が降り始めた。
この地域はまっしろだ。
俺が住んでる地域は、日本ほど四季がゆたかなわけじゃないけど、熱い季節と寒い季節があるわけで。
俺は絶賛、冬の厳しさを堪能中だ。
学生服はとっくに冬服になっていて、朝になるとみんな凍えながら登校していたけど、つい最近冬休みに突入。
大半の生徒が家で大人しくしごしているはずだ。
しかし、そんな学生達でもこの時ばかりは外出するだろう。
真っ白なその時期には、誰もがはしゃぐ目玉となるイベントがあった。
それが、各町で大きな巨大ケーキを作るというものだ。
木の形を縦長にしたケーキを、思いっきり豪華にかざりつけて、町の中央に展示するというもの。
見た目的にはブッシュ・ド・ノエルの縦バージョンなんだけど。
そこにクリスマスリース的なのとか、プレゼントを模した何かしらとか、靴下とかが(なぜに?)ごっちゃになってる。
で当日の流れは、出来上がったケーキを眺めた後に、町の皆と一緒に切り分けたケーキを食べながらさわぐってのが恒例。
俺の生まれた国には、そんなイベントがあるんだ。




