ミカエラの話
うちのクラスのとさか君はちょっと変わってる。
愛の教徒がやってきた時も、なんか変だったし。
神の教徒が近くに潜伏してる時も、結構様子が変だった。
他の生徒とは何か違う感じなんだよね。
うまく説明できないけど。
そんなとさか君にちょっと興味が湧いてたから、手芸同好会の危機で同好会に誘っちゃった。
口では文句いうけど、結構付き合いいいんだな。
期間限定の助っ人だけど、結構頑張ってくれたのは良い人だと思う。
刺繍の腕は壊滅的だったけど、無事に作品を作ってくれたよ。
真っ白な塊がいくつも刺繍されたハンカチで、出品したのが「荒ぶるもの」ってタイトルだったけど、あれ鶏らしい。
ううーん、センスが独特。
そんなとさか君は、私達の同好会の評判を上げるため、展覧会の終わりに色々やってくれたらしい。
片づけで忙しくて見てなかったけど、あんな事やってたなんてね。
もうちょっと私達に言ってくれてもいいのに、何も言わないんだから。
お客さんから聞かされて初めて知ったよ。
きっととさか君って損する性格なんじゃないかな。
これからもクラスの付き合いがあるけど、何だか似たような事まだまだしていきそうな気がするな。
ちょっと心配になってきたかも。




