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第6話 スパルタ
その日から始まったアウルの指導は、スパルタだった。
めちゃ厳しい。
熱心な家庭教師って感じで、間違っている点をびしばし指摘してくる。
いや、家庭教師でもそこまでやらんわってくらい、お世話してくる。
そうだこいつ、一度距離が縮まった相手にはとことこん親切にするやつだったな。
ツンデレであり、ヤンデレ。
ヒロインに対する執着心が人一倍強い奴だった。
もうちょっと言い方かんがえろよっていうぐらい、とげまみれの言葉を投げつけられる事もあるけど、まあそれは厳しくする事が本人のためって考えてるんだろうな。
そのおかげで俺の腕前もなんとか、よくわからないものレベルから、子供のお遊戯会レベルに進化できたし。
家庭で、たくさんの(失敗作:華やかなるもの)ができてしまったけど。
そうやって俺が地道な訓練をこなして、一つの作品を作り上げた頃。
展示会の日がやってきた。




