第2話 参戦決定
いきなりな展開で悪いが、俺は手芸同好会に入ってしまった。
何が起こったのかさっぱり分からないんだが、気が付いたら新人にされていたんだぜ?
びびるだろ?
端的にまとめると、クラスメイトに引っ張られて、同好会のメンバーに顔を見せたらなぜか新入りだって事にされたんだが……。
ほんと意味がわかんないね。
てんやわんやで同好会の規則を説明された俺は、俺をひっぱってきたクラスメイトの腕を掴んで一旦退室。
「どういう事?」
その部屋から出て、廊下で当然質問した。
すると、そのミカエラは手をあわせて「ごめん!」と小声で謝ってきた。
申し訳なさそうな顔で説明してくる。
「まきこんじゃって申し訳ないけど、こっちも切羽詰まってたんだ」と。
どうやら、何かわけありのようだ。
「くわしく話きかせてくれるか」
というわけで、かくかくしかじか。
彼女曰く、手芸同好会は似たような活動をこなす編み物同好会に喧嘩を売られているらしい。
作り上げる作品のレベルが、あっちの方が高いと言う事で、ことわるごとに馬鹿にしてくるのだとか。
かちんと来た彼等は、売り言葉に買い言葉で、ヒートアップ。
来月に町で行われる展示会で、自慢の作品を出し、どっちか優れているかお客さんに決めてもらおうという事になった。
しかし、ここにきてメンバーの一人が家庭の事情で退部。
人数がいなくて困ってしまったのだとか。
手芸に人数が必要ってどういう事だってばよ。
「あー、それはね。展示会に展示作品を提出するためには、最初に参加を決めた人数で一人一作品ずつ提出するって決めちゃったから。決まりをやぶったら、勝負に勝ったとしても後で相手がどんないちゃもんをつけてくるか。あいつら結構因縁つけてくるし」
なるほど、念には念をいれておきたい。
完全勝利を目指したいというわけか。
こんなイベント原作にあったかな。
目の前で、ミカエラが頭を下げて懇願してくる。
「だから、お願い。私達に協力して!」
「いや、俺も勉強しなくちゃいけないし」
あと、攻略対象の人生だって、見守らなくちゃだし。
やる事たくさんだし。
「いるだけでいいから、なんなら布切れに針を一回入れただけの作品でもいいから」
それはそれでどうなんだ。
いくら数合わせといっても、ぞんざいすぎるだろ。
「お願い! 貴方しか頼れる人がいないの! 貴方の力が必要なのよ! 力を借りれそうな人が他にいないのよ」
うっ、的確に急所をついてくるじゃないか。
おれ、その言葉に弱いんだよな。
「はぁー。わかったよ。ただし、手芸なんてやったことないから、出来栄えは期待しないでくれよ」
「やった! ありがとう!」
女の子に手を握られて喜ばれる。
攻略対象達が病んでるとかいうこんな状況じゃなきゃ、もうちょっと舞い上がってたんだけどな。




