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ミュクゼの話
最後の最後で詰めが甘かったな。
神の教徒をめぐる騒動は、一生徒の尽力で幕を下ろした。
後は、応援でやってきた者達に事情を説明し、あやうく被害者になった女性とともに健康状態を確認された。
今回の事で課題は山ほど見つかった。
非常時にどう生徒を動かすか、しっかり確認しなければならないだろう。
今回は見ず知らずの女性だったが、何かが違えばうちの学校の生徒だった可能性もある。
学校外、私生活の事は関係ないといえばそれまでだが、好き好んで見える所で起きる被害を増やしたくはない。
安全管理には気を付けるべきだ。
しかし、彼は本当に良いタイミングで気が付いてくれた。
目撃情報をよせてくれたのは、連中がこの地にやってきてすぐだったし、先ほどの事もそうだ。
逃がしていたら面倒な事になっていただろう。
残りの勢力と合流したあげく、狩れた者達まで逃がしてしまう事になっていたかもしれない。
借りを返すつもりが、逆に増えてしまった。
こんな事では、幼いころに助けてもらった恩をいつ返せばいいのやら。
だが、幸いな事に学生期間はたっぷりある。
これから、腰を落ち着けて考えていけばよいだろう。




