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第3話 二人目に遭遇



 うちは養鶏場の経営者だ。


 コッコ、コッコ言ってるニワトリの世話をおこなっている。


 でも、あんまりもうかってない感じ。


 いつも、その日食っていくのでやっとって感じだ。


 うーん、なんでこんな売れないんだろうな。


 その原因を調べてみると、ライバルの養鶏場が近くにある事が分かった。


 そんで、あっちの鶏の方が品質の良い卵を産むらしい事も。


 ははーん、なるほどなぁ。そりゃこっちよりそっちの卵がほしくなるわけだ。


 値段はどっちも同じらしいから、そんなら質のいい方選ぶよな。


 ここは、俺が一肌ぬぐとこだな。


 両親に迷惑かけたんだから、なんとか養鶏場を改善する事で貢献しないと。


 そう思っていたら、偶然攻略対象と出会ってしまった。


 ライバルの養鶏場の秘密を探ろうと窓からこっそり調査を進めていたところ、ばったり。


 名前はアウル。


 彼が勤めているお屋敷で使うための、新鮮な卵を仕入れるために、養鶏場を探していたようだ。


 お屋敷で働く人が多いから、定期的に安定した数を仕入れるために、直接養鶏場と取引しようってわけか。


 卵とついでにニワトリの肉も、ちゃっかりもらう約束を取り付けるんだっけ。


 サポート系の仕事をさせると有能なタイプだ。


 おっと、原作改変のお時間?

 もう俺の働く時間が来てしまったのか。


 そうかそうか。


 くっ、大変だな。


 でも俺、人のお世話してる余裕あるかな。


 ニワトリの餌になるのは嫌だぞ。


 鳥畜生につつかれて、肉片にされるなんて。


 じゃあ、攻略対象は見て見ぬふりする?


 いやいや、でも、放っておけないし。






 アウルは、吸血鬼族の男の子なんだが、こいつも色々悲惨な境遇だ。


 他の種族の血を吸って生きていく吸血鬼族っていうのがあるんだが、そいつらはこの世界で迫害されているんだ。


 というのは、血を吸われたら吸血鬼に操られてしまう点があるからだ。


 相手との間に信頼関係ができていればそういう事はないんだけど、どちらか一方が相手を見下していたり、敵意をもっていたりするとそうはならない。


 だから、それを恐れた連中が吸血鬼殺しを行っているというわけだ。


 そんな背景があるから、今のアウルはおそらく、自分の種族を偽ってお屋敷で働いているんだろう、


 けれど、これから彼の故郷が滅ぼされて、大勢の吸血鬼たちが死んでしまう。


 その事件を聞いたアウルは動揺してボロをだし、その様子からお屋敷の人達に吸血鬼だという事がばれてしまうのだ。


 その後は、人を信用できなくなってしまう。


 うん、何のために原作知識をもって、生まれ変わったんだ?


 やっぱり、俺がなんとかしてやらないとな!



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