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第9話 ある意味執念の使徒





 それは方針決定と応援要請をした日から、三日目に起こった。






 その日、やむおえず仕事が遅くなった女性が一人で町を歩いていた。


 彼女は気が付かない。


 自分の背後にいる者達に。


 彼女は疲れた顔で歩き、帰った時の事を考えるのに夢中だったからだ。


 やがてあやしげな物達は、女性にしのびより、その手を肩にかけようとするが。


「そこまでだ」


 そこに攻略対象達が立ちはだかる。


 女性を背にかばいながら、彼等は神の教徒と対峙した。


「動物達に見張らせておいて正解だったな。ここまでくれば、我々でも時間稼ぎくらいにはなるだろう。相手をしてもらうぞ」

「そうそう、油断しない方が良いよ。僕達を甘く見ないでよね!」

「調子にならないでくださいフレオン。我々はあくまでも足止めです」


 ミュクゼにフレオン、そしてアウル。


 彼らが神の教徒達へにじりよる。






 一方ついてきたマリンちゃんと俺は女性を安全な場所へ逃がしていた。


「もう、大丈夫ですよ。でも、まだ危ないので、ここで隠れていてください」

「えっと、色々置いてきぼりでごめんな。一通り終わったらちゃんと説明するから」


 巻き込まれた女性は、おろおろとうろたえるばかりだ。


 まだ命の危険が迫っていたという事を実感できていないらしい。


 不安げに神の教徒やら攻略対象達の事を見つめている。


 俺も、戦闘勃発している地帯へと視線を向けた。


 戦況は、スペック高いメンツが三人そろっただけに、なかなかこちらに有利な状況だった。


 向こうも荒事慣れしているが、彼等だってトラブルで慣れている。


 ものの数分もしないうちに、ものいわぬ教徒が道に転がるはめになった。


「みなさん、大丈夫ですか!?」


 マリンちゃんが彼等に駆け寄っていく。


 怪我の有無を確かめているようだ。


 応援を待つまでもなかったか。


 これで、一件落着かな。


 時間からして、そろそろ来てくれるはずだろうし。


 いや、まて前回の愛の教徒の時を思い出すんだ。


 こういう連中は最後にとんでもない事をやらかす可能性がある!


 あたりをキョロキョロ。


 見えるところに、危険物はないな。


 だいじょう……ふぁっ!


 気絶させるのが甘かったのか、一人が起きて逃げようとしていた。


 俺はとっさに、手ごろな石を掴んで投げた。


「いっせーのせっ!」


 とっさだったから、掛け声にまったくしまりがないぜ!


 でも、変に格好つけなかったのが良かったのか、狙い通りに着弾。


 いま、まさに起き上がろうとしていた執念の使徒……(俺命名)はその場に倒れて気絶しなおした。


 攻略対象達が慌てて確認しているが、ぴくりともしない。


 他に起き上がる気配のやつは、よしいない!


 ふぅ、これで本当に今回は終わりだ。



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