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ヒロインの話



 私はマリン。


 今日から新しい学校に通う事になったから、頑張って勉強して、良い職業につかなくちゃ。


 家が貧乏だから、うんとたくさん稼いで、これからは両親に楽をさせてあげたい。


 でも、学校ではお金持ちの生徒達が多いらしいからうまくなじめるかちょっと心配。


 緊張しながら歩いていたせいか、入学式に出ようとした時に、校門で恰好いい男の人にぶつかってしまった。


 真面目そうな印象の人で、とても頭よさそう。


 勉強とかきっとすごくできるんだろうな。


 その人は、ミュクゼと名乗ってぶつかった事を謝って、その場を去っていった。


 でも、どことなく気落ちしているように見えたのは、気のせいだろうか。


 元気がない感じ。


 何かあったのかな。


 気になりつつも、私はは入学式の会場へ向かった。


 クラスごとに並んでくださいって教師の人達から言われて、順番通りに整列していたら、クラスメイト達の中二ミュクゼさんが混ざっているのが分かった。同じクラスだったんだ。


 そんなミュクゼさんは、ちょっと格好いい人だからなのか目立ってる。


 周りの人から注目を集めていた。


 でも、それだけじゃなくて、他にも恰好いい人が二人いるみたい。


 私、そんなに外見で人を判断するような人間じゃないと思ってたけど、見た目だけで人を虜にする人って本当にいるんだ。


 見つめてると、思わずぼーっとなっちゃう。


 けれど、問題発生。


 もうすぐ入学式が始まるって時に、誰かが貧血で倒れてしまったみたい。


 大変、と思ってかけよろうとしたら、二人の男性が手際よく起こして、保健室に連れて行っちゃった。


 すごい。


 一人は明るそうな人で、もう一人は丁寧に喋る神経質そうな人。


 同じ年なのに、しっかりしてるな。


 私もみならわないと。


 でも、あの二人もミュクゼさんと同じで、どこか影がある感じがしたんだよね。


 他にも同じクラスに気になる人がいて、すごく辛そうな人がいたんだけど、皆いったいどうしたんだろう。


 私がいるこのクラス、なんだか不幸そうな顔をした人が多いような気がするな。


 これからの学園生活、ちょっと不安になってきたかも。



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