光る竹
竹槍が、竹が光っている。これは一体――。
一体何が起こったのか――何が起こったのか解らないが、どうやら私が彼女から一本を取ったらしい。
「私が一本取られるなんて――」
彼女は動揺している様で、私の事も、光る竹槍も見えていなかった。
私も私で状況を理解出来ていなかった。
何故私は彼女から一本を取れたのか?何故竹槍が光っているのか?そしてさっきから、ちらちら視界に入るこの髪の色。見間違いでなければ金色に見える――。
「貴女は一体誰だ?――」
―――。
――そして、『今』。もう何度目か、彼女と戦うのは。
「私の二勝一敗一分けよ。お『姫』様」
「それは違うわ、『お嬢』さん。私が二勝よ――」
どういう訳か、彼女『西條舞子』まで、いつの間にか変身する様に成っていた。
そして、その事を知るのは私と彼女だけであり、秘密にしていた。この光る竹槍を『魔法の竹槍』と名付けて――。
何故変身するかは解らず、私は金色だったが、彼女は白に近い銀色の髪色に変化する。
変身すると身体能力も向上した。そして何より、危険回避能力が格段に力を増した。
彼女もまた、同様に身体能力が向上しており、それ以外も何かが強く成っている。それは、私と似ているが、どこか違うような。
それは戦ってみるとよく分かった。私は危険を身体が反応して回避する様な感じだったが、彼女の能力はまるで何が起こるのか、未来が見える様な感じだった。
なにより、何故私達は戦っているのか?――それは彼女の、唯の逆恨みが原因だった。
ずぶの素人である私に、一本取られた事がよっぽど悔しかったのだろう。あれ以来何かと付き纏われる様に成ったのだから。