でし――
「お嬢、ここって――」
「あぁ。奴等『竹』について何か知っているのか?――」
――お嬢には言っていないが、サッちゃんは私が『姫』で、『魔法の竹槍』で変身する事を知っている。
それでも『魔法の竹』は、この竹林で採った竹であることは言っていない。
もし、私達をこの場所へ連れて来た事が唯の偶然や、人目に付かないから、なんて事がなければ何か意味があるだろう。
それが、私達が今握り締めているこの『竹槍』についてであるなら或いは――。
――山の竹林を眺めながら、あれこれ憶測を巡らせていた私達は、自動車を運転していた彼女の事を忘れていた。
山の前で降ろされたとはいえ、これから私達は何をどうすればいいのか、彼女の案内や説明が必要でその存在を思い出した。
「これから、私達はどうすれば――」
っと、振り返り、彼女へ問いかけた――。
が、しかし、そこに自動車は無く、もちろん運転していた彼女も消えていた。
その代わりか、運転手の女性とは似ても似つかぬ女性と、一頭の馬がそこに居た。
――十代位の、それでも私達より年上であろう女性。
もんぺ姿で農婦の様な佇まい、お世辞にも洒落ているとは言えない、そんな女性。
そして何故か、その女性に手綱を引かれ、鞍を付けた馬が一頭。毛並みが良く黒毛であった。
自動車や運転手の女性は一体何処へ――そしてこの馬を引いた女性は一体誰なのか?
「貴女は一体――自動車を運転していた彼女は何処?」
「へぇ、そいずはオレでし――馬に跨り、手綱を引ぐど姿が変わっですまうのでし」
でし?――




