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かぐや舞う  作者: 合川明日
♯ 2
66/70

手放せないそれ

 土砂どしゃりの所為せいもあり、『ニンジン(サッちゃん)』がんでいるということで、私達は自動車じどうしゃんだ。


 よくかんがえれば軽率けいそつではあったが、その時にはそんな事を考えている余裕よゆうが無かったのだ。


 おじょうは『ニンジン(サッちゃん)』と聞いた途端とたんに、もう自動車に乗り込んでいたし、私は雨にえられなかった。


 もし、私達をねらっているそれが『夫人ふじん以外いがいにもたら。


 それに彼女の言う事が本当だという保証ほしょうも無く、何者なにものかもわかっていないのに――。


 黒塗くろぬりの如何いかにも高級こうきゅうそうな自動車――その後部こうぶ座席ざせき。私とお嬢が乗ると、やはり運転手うんてんしゅは女性で、彼女以外誰も乗っていなかった。


 自動車の中は意外いがいひろく、私達は『魔法まほう竹槍たけやり』をはなす事無く車内にち込めた。


 そんな私達に運転手の女性は私達に一瞥いちべつもくれず、操縦そうじゅうにぎりをつかんだままだった。


「――貴女方あなたがたは、もうあの場所へ行ってはなりません」


道場どうじょうの事か?――」


「えぇ、あの場所は貴女方の居場所いばしょではありません。それにお二人の『ちから』はあのような事に使うべきではないはずです」


えらそうに――大体だいたい何者だアンタ?」


「私はただの運転手です――」


「じゃあ、一体誰が――って、サッ…、『貴婦人きふじん』さんよね」


「それもあやしいもんだ。『ニンジン』が勝手かってままに、自動車まで出させるなんて。一体いったいうらにどんなやつが――それに私達をつかまえようとしても無駄むだだ。その時は容赦ようしゃしない」


「しかし、お二人は乗ってくださった。それだけで十分です――発車はっしゃいたします」


 動き出した自動車は私達を乗せ、錬女れんじょを後にした。


 錬女の校門を出た所で気が付いたが、どうやら雨は錬女一帯(いったい)でしかっていなかった様だった――。




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