泥船
「『非国民代表』とは一体何か――それは自由の象徴だと私は思う。しかし、自分達の置かれている状況や柵、その原因を知らないのに一体何が出来る。唯非国民と呼ばれ、人々の首を締め付けるだけではないのか。私は『ニンジン』と出会い、それを理解した」
「――『ニンジン』の解放が一体どう関係があるの?」
「私は、『ニンジン』が戦争の象徴だと思う――それに、奴等にも心がある事が解かった。ならその象徴が意思を示せば。或いは…」
「解らないわ。もっと解りやすく――」
「奴と仲間を救い出し、自由になった『ニンジン』達とこの国を開国させる」
「――在り来りだわ…」
「あぁ、嘘だからな。しかし、奴やその仲間を救いたいのも、戦争の真偽を知りたい事も、非国民代表に成りたい事も本当だ――唯、奴には借りが有る。このまま黙っている事は出来ない」
「開国なんかより、よほど現実的ね――応援はしないけれど、協力位ならしてあげるわ。私も彼女にはまた会いたいし」
「となれば、どうやって探すか――『憲兵署』には居ないだろうし、『ニンジン』について知っている人物が居るとすれば、やはり『夫人』か」
「『おチョコ夫人』――チョコレートの甘い誘惑に騙されていたけれど、『姫』は彼女のやり方を許していないわ」
「お互い敵が判った訳だ――どうする?殴り込むか?」
「今のままでは、私も貴女も勝ち目は無いわね――違わなくて?」
「……」
「私に考えがあるの――乗ってみない?」
「――『おーえす』ってか」




