線上
「――って、そんな事どうでもいいわよ。何の話をしていたんだっけ」
「どうでも良くないだろ――とは言え、今は『ニンジン』についてか。奴は一体何だ?それに、あの夫人も…」
「夫人は特権階級だから。それに『ニンジン』については夫人が――」
「そういう事じゃない。奴が何で出来ていようが、どんな目的だろうが関係ない。何故あんなものが居るんだ?」
「それは…、戦争だから――」
「その戦争は一体何処でやっている?――鎖国とは何だ?」
鎖国によって海外の情報はおろか、この国で一体何が起きているのかも解からない。
新聞も公共放送もまるでそれを隠している様な、何事も無いかの様にありふれた出来事の放送ばかり。
戦争など最初から起きていないかの様に。
騒いでいるのは学園や、町内会ばかり。
私は何の為に兵器を造り、竹槍を突き立てているのか――。
「――そういえば彼女、その『ニンジン』は戦争へ行くと言っていたわ」
「戦争へ――奴は戦争へ行くと言ったのか…。なら私は確かめたい。戦争を」
「舞子――」
「私は戦争が本当に起きているのか、一体何処で誰が、何の為に戦っているのか知りたい。確かめたい。その為には、その『ニンジン』を――」
「どうする気?助けたいのでしょう?彼女達を――」
「誰が助けないと言った――さっきは感情的になってしまったが、『ニンジン』には聞きたい事が山ほどある。それが結果的に助ける事になるだろう」
「?――」
「私は全ての『ニンジン』を野に放つ――自由に、解放させる」
「!?――」
――ボソッ。
「自由になった『ニンジン』は、戦場へ行くだろうか?――」




