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かぐや舞う  作者: 合川明日
♯ 2
57/70

『様』

 公然こうぜんと『ギブミー・チョコレート』がとなえられ、非国民ひこくみんす女学生がえた事で、よろこぶ人物が校門前で私をっていた――。


 学徒動員がくとどういんでの兵器へいきづくりでつかれているのに迷惑めいわくな事である。


 それに彼女の存在そんざいは私達『錬女れんじょ』でも有名で、校門にもたれかかる立ち姿すがたを錬女の女学生達があこがれの眼差まなざしをおくっていた。


 私にとってそれがどれだけ気の重くなる事か――。


 彼女がそこで待つ事はあまりに目立めだち、彼女が私を待って居る事が知れればへんうわさが立ちかねない――それどころか、まわりからどんな仕打しうちをけるか。


 考えただけでおそろしい――ここは素知そしらぬふりでとおぎるしかない。


 私は一緒いっしょたマサの手を引き、早足あしばやで通りようとした。


 すれちがいざまに手で顔をかくしてっ――。


「って、気付きづかないわけ無いだろう――『かぐや』」


「――あら、いらしたの?『舞子まいこ』」


「――かぐや、知り合いなの?『西條さいじょうさまと」


 あぁ、錬女でも彼女に『様』なんて付けていたのか…。知らなかった。


 よりによって、マサまで――。


「いや…、知り合いというか、わされているというか」


「えっ!?付き合っている!?」


「ちっ、ちがっ――」


 その瞬間しゅんかん、その場に居た女学生全員が私をにらみ付けて来たのを感じ、空気がかたまった。


 サ――。視線しせんいたい。


 ――ざわつきだす女学生達に、私は居たたまれなくなり、マサの手を掴み足早にその場をはなれた。


 しかし、舞子まで付いて来るのだからどうしようもなかった。


「マサ!走って――」


「――かぐや、何故なぜげるの?」


「おい!どこへ行く?――待て!『宮本みやもとかぐや』!」


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