覚えて…
!?――一体何が起こったのか? 体が宙に浮いている様な。
走馬灯を見ていて…。それで――。
私は自分が瞳を閉じている事に気付き、恐る恐るそれを開いた。
――すると本当に宙に浮き、空を飛んでいた。
一体何故――目の前には『ニンジン』が…。というより、彼女に抱きかかえられ空を飛んでいたのだ。
状況が理解出来ない。走馬灯を見ていた事さえ夢の様な。ならばこの状況も夢なのだろうか?
「ねぇ、貴女!かぐやちゃんでしょう!?絶対そうでしょう?――」
「――どうしてそれを」
竹槍はまだ持っている。という事は、『姫』のままなのに何故?
「やっぱり!私よ!『満月』――『サチコ』よ!」
「サッちゃん――」
「そう!『サッちゃん』――懐かしい!何時以来かしら」
兎型機械駆動模型――走馬灯で思い出した、私の親友。
しかし、見た目が違うし、どうしてこんな所でこんな事を?それに――。
「――どうして私だと?」
「解かるわ!だって、『サチコ』って――『サッちゃん』って呼ぶのは、かぐやちゃんだけだもの!」
「ええぇっーー!?どうして?一体なんで?それに随分綺麗に成って――」
「――それはかぐやちゃんもよ」
言われてみれば色合いは当時のまま変わらず、兎を模したずんぐりとした体型から、人型の細身な体型に変わり子供の友達より、大人な感じである。
しかし、そう言われてもにわかには信じられない――が、私を私と分かるのは『お嬢』か、もしかして彼女位なのか。
彼女との再会は、嬉しさよりも驚きの方が勝った。
それもその筈、今の今まで彼女の存在を忘れていたのだから――。




