彼女が
――彼女!?
「気が付いたか?『姫』――奴に私達の攻撃は効いていない。しかし、奴の攻撃も私達には効いていない」
「私達を捕まえる為に手加減を?――『第七感』が弱まる訳ね」
「奴の狙いが私達の正体を暴く為なら、私達を弱らせ心を折ろうとするだろう。このままではジリ貧だ――」
「じゃあ、一体どうすれば…」
「私達がこの場を切り抜ける為には、奴を倒すしかない。しかしそれが出来ないなら…」
「なら…」
「あの性能だ、隙を見せれば捕まる――私が囮に成る。その隙に逃げろ」
「『お嬢』――もう、いいんじゃない?私達の正体を明かしても」
「!?何を言って――」
「別に何か悪い事をした訳でもないし――正体を知れば夫人だって」
「――この場に居る者達は唯の好奇心だけなのだろうが、それだけでは済まない事に成ったんだ。お前が惚けて聞いていないだろうが、夫人の後ろ盾は『ニンジン』を使ってまで、私達を捕まえ様としている。もう、そんな次元の話ではないんだ」
「――貴女を置いて行く位ならそれもいいわ」
「囮にも成れないくせに、生意気ぬかすな――」
万事休す――これ以上は体力が持たない。生身の人間に対して、相手は機械駆動。お嬢の言う通りこのまま二人で捕まる位なら…。
私は囮にも成れないのかもしれない。しかし、夫人の目的を、彼女の注意を引く事位は――。
お嬢ならその隙を逃さないだろうし、無駄にもしない筈。
じわりじわりと近付く彼女に、私達は追い詰められ、私の決心は竹槍をその場で手放す事を決めた。




