ご都合主義
パチパチパチ!!――。
「今日はその為に――だから、こうやって」
今何て?――拍手が大きくて聞こえなかった。
「貴女方は人並外れた力を持っていると――」
まさか、私達をおびき寄せる為に――。
「勿論、力尽くにでも――」
私達の正体を知る為に――。
「最新の自動人型決戦兵器も――」
私達の正体を知らないから――。
――全てが嘘だったの?
「『姫』!!――前を見ろ!!」
『お嬢』――。
――護送車から降りて来たそれは、人の形をした人間以外のものだった。
「アナタから、コウエネルギーをカンジます――」
人工人間――。人型機械駆動模型に、疑似思考思想を組み込んだ疑似人間。
機械仕掛けのそれは、とても人とは呼べぬ代物だった。故に無尽蔵に破壊と生産を繰り返す事が出来、最後の倫理観から人間の形だけが残った。
唯、役割を果たす為日々進化するそれは、人の形を保つ事が一番難しかった。
そんな都合の良い『人間』を人間は『ニンジン』と呼んだ――。
――女性の姿形をしたそれは、形だけは人間ではあったが、継ぎ接ぎの素材は剥き出しに、塗装はしてあるが服など着てはいなかった。
銀色は元々の素材の色なのか、桃色は塗装なのか、人間とは程遠い見た目。しかし、それは『ニンジン』としては良く出来ているらしい。そんな事を夫人が言っている。
――何かとても遠くで聞こえた様な。それは今の事ではなかった様な。
私は『ニンジン』というものを知らない。その言葉自体今知った事だ。
しかし、私は――。
『――ちゃん…』




