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かぐや舞う  作者: 合川明日
♯ 1 『かぐや』と『姫』
42/70

切れ

 ブンッ――!


 西條さいじょう舞子まいこもとい、『おじょう』のるった竹槍たけやりでの一太刀ひとたちは、私の前髪まえがみかすめていった。


 ――私はり、寸前すんぜんのところで何とかその一撃いちげきをかわした。


 一体何を――。


あぶないじゃない!――何のつもり?」


ちからが、力があふれて来る――今なら何でも出来そうだ…」


 彼女、どうしたのか。何かおかしい。


 てんあおぐ彼女は、何かにかれたよう不気味ぶきみで、うわそらだった。


 これは、新しい『魔法まほうたけ所為せいなの?力が溢れるとは一体。


「――『お嬢』?」


 ギロリ――。


 天を仰ぐ彼女は、顔も動かさず眼だけを動かし私をにらみつけた。


「私はやつにくかった――初めてったあの日。奴にやぶれたあの時から続いている」


「……」


「私は一時いっときわすれた事が無い。いや、忘れられない。脳裏のうりにちらつく」


「……」


「それは今も続いている」


「……一体何が?」


「『敗北はいぼく』――私はつねち続けて来た。しかし、奴に出会ってから勝つ事が出来なくなった。常に奴が、『敗北』ちらつき、それをぬぐえない」


「お嬢…」


「『ひめ』が私を嘲笑あざわらい、私は今もけ続けている――奴は何処どこだ?奴を出せ!」


 お嬢――。


 それほど『姫』に負けた事を――しかし、何故なぜ今。彼女は一体どうしてしまったのか。まるで感情かんじょうあふれている。


 ブンッ!――憎しみの矛先ほこさきふたたび私にけられ、彼女はおそかって来た。


 私は『姫』であって、今は『姫』ではない。生身なまみのままでは、変身へんしんした彼女の竹槍を何時いつまでもかわしきれない。


 一体どうすれば――。


 ブン、ブンッ――。


 ?おかしい、彼女の太刀筋たちすじとはまるで違う――『お嬢』は竹槍を薙刀なぎなたの様にあつかっていたのに、これでは本来ほんらいの、わざれが無い。


 今までけて来た彼女のかたとはまるでべつのものだ。


 ただ闇雲やみくもに振っている様な。われわすれている様な。


 しかし、寸前すんぜんを掠める竹槍はするどさをし、竹林ちくりん青竹あおたけつぎ々ときざんでいった。


 このままでは――。


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