幻
足が無い――。
今まで気が付かなかった――まさか幽霊!?
「やっとアレが効いて来たか――それにしても正解だったな、隔離は。混血は根絶やしにせねば」
金髪の彼女は、何かを呟いた様だったが私には聞こえなかった。
お嬢は竹槍を構え動けず、私もそれには血の気が引いた。
――彼女の足はみるみる消え、ついには腰まで消えて行った。
ゆっくりと、しかし確実に彼女の身体は消えて行った。
足から腰、腰から胴、胴から胸――徐々に上へ上へ。
私もお嬢も、それを目で追うことしか出来ず、言葉を失っていた。
そして、ついには顔だけに――。
「今日は宝物に免じて見逃してあげる。但し、チョコレートがある限り罪は消えない」
「――待って!それって一体どういう意味?」
「戦争はつ――」
彼女が何を言おうとしたのか――彼女の口が消えてしまい、最後まで聞けなかった。
そして、彼女は完全に消えてしまった。
その直後、松竹梅が眩く光り輝き、私達は目を開いていられなかった。
――光が収まり目を開けると、今までそこに在った松竹梅が全て消えていた。
彼女が持って行ったのだろう。しかし、一体どうやって。
「私は夢でも見ていたのかしら――」
「今のは一体なんなんだ?――それに奴は一体?」
どう説明すればいいのか――結局私は彼女について何も解らず仕舞いに終わったのだから。
こっちが聞きたい位だった。
上の空だった頭は、次第にそれを取り戻し、私はそれを思い出した。
「あーー!?在ったの?『魔法の竹』!」
――お嬢が持っていた魔法の竹は、既に竹槍にされていたのだった




