玉の枝
金髪の彼女は、自分が見えていることを不思議がり、何やら呟いていた。
不思議なのはこっちである。突然現れ、一体何なんだ――。
それに金色の光で見えなかったが、彼女一体どうやって山頂まで来たのか?
まさか月から?――いや、それは無いか。
と、彼女の登場や、その容姿で忘れていたが、私はそれどころではなかった。
私に用が無いのなら退いてもいたい――そこには松竹梅が在るのだから。
「あの!――そこ、退いてもらえませんか?私、その竹に用が…」
「ハッ――すまない、つい」
彼女は素直に退いてはくれた。
言葉は通じるらしい。それにどうやらまともそうだ。
これに乗じて、その姿について聞こうか――いや、唯の非国民だったら…。
それとも、最近金髪が流行っているのか?一種の自己表現、外国への憧れ。基、反発。
しかし、これでは直ぐに非国民狩りに遭ってしまうのでは――。
「――ん、ちょっと待て!これは、『火乃元の玉の枝』ではないか!?」
『火乃元の玉の枝』?『の』が多い――松竹梅の事か?しかし、この竹の存在を知っている人間なんて殆どいない筈。何か勘違いをしているのでは。
「やはり噂は本当だったか――」
「あの、それ――」
「――貴女も『火乃元の玉の枝』を?悪いが渡せないな」
「そんな!?何故?」
渡せないですって?――何故?この人はこれが何かしっているの?
それに、誰の物での無いはず。
――もしかしたら『魔法の竹』かもしれないのに。
少しでも触れる事さえ出来れば――隙をついて触るか。いや、もし本当に魔法の竹なら、私が変身してしまう。
変身した姿を見られてしまう――。
しかし、それはそれで…。




