おとめ
西條舞子の行動力は待ったを知らず、その日の内に教えてもらった竹林へ向かった。
勿論私も強制的に連れて行かれた。
魔法の竹槍の大切さは彼女も私も同じだが、私は半ば諦めていた。
竹林を直接見た訳ではないが、きっと数百、数千、もしかしたら数万――それに『魔法の竹』がまだ在るとも限らない。
諦めて、他の方法で夫人を助けたら――。
「お前、いいのかそれで?――もう二度と変身できなくても」
「確かに、あんな能力もう二度と手に入らないと思う――何より、変身した時は楽しかった…」
「なら、尚更――」
「――でもどうやって?」
それ以上彼女からは何も返っては来ず、前を歩く彼女の背中に、これ以上何も言えなかった。
彼女は私以上に悲しんでいるのだろう。その足取りからひしひしと伝わってくる――唯々速く、力強く。
百合女から歩く事30分――案の定、一山丸々竹林だった。
これじゃ――こんな所から…。
唯、彼女はもちろん、私も後ろ向きな発言は出さなかった。出せなかった。
彼女は無言で竹林へ入り、私も後へ続いた。
彼女は一本一本竹を触り、その竹がどうか調べており、私もそれを真似、彼女とは少し離れた場所を探した。
嫌な空気だったので、彼女と別れられて良かったかもしれない。
いつもは何だかんだいって、彼女は明るく前向きだった。そんな彼女の無言には耐えられなかった。
私自身発見である。
彼女の印象では、そっちの方がお似合いなのだが、付き合ってみて分かった。彼女、おしゃべりで、チョコレート好きの私と何も変わらない『おとめ』だと――。




