竹の成長を
「えっ、竹槍?ここに隠れていたやつかい?――それなら捨てちまったよ」
!?何ということか、この清掃のおばさんに魔法の竹槍を捨てられてしまったのか――。
あれが無ければ私達はもう――。
「何でも、古くなった竹槍を処分して、また新しく作り直すらしいよ」
西條舞子は固まってしまい、私も言葉を失っていた。
「まぁ、竹なんて幾らでも生えて来るし、成長も早いし――」
魔法の竹槍が無くては、『第七感』はもう使えない、変身が出来ない――即ち、夫人は助けられず、チョコレートだってもう…。
「近くの竹林から持って来たんだよ、古いやつ。新しい竹だってそこから――」
「――おばさん!!その竹林何処に在るの?」
固まっていた西條舞子は突如、カッと目を開き、息を吹き返したのだった。
確かに、魔法の竹槍は無きゃ困るものではあるが、まさか竹林から探しだそうというのか?――。
無謀だ。一体どうやって。
魔法のとはいっても、見た目は唯の竹なのだ。見つかる筈がない。
「私はあの竹槍のおかげで、私の、いやそれ以上の何か閉ざされていた様なものが…。上手く言えないけど、今の私にはあれが、魔法の竹槍が必要なんだ。何かを開く為には――だから私は何が何でも見つけてみせる。どれだけ掛かっても」
彼女の言葉は何時になく真面目なものだった。
いつもの馬鹿げた作戦や野望なんかも、私は少しふざけているのかと思ったが、彼女なりに真面目だったのだろう。
唯、彼女も私も、それが何か、どうすればいいのか、解らないだけだったのだ。




