無敵的
魔法の竹槍なら剣だろうが、拳銃だろうが、なんなら戦車だろうが負ける気がしない。
彼女の言うことは大袈裟には聞こえるが、彼女は本気で、私も言われてみればと、そう思ってしまった。
「――でも、戦車は言い過ぎじゃない?」
「解らないぞ――勝つ事が出来たら、戦争を終わらせる事が出来る」
それが何を意味するのか、私には解らず、彼女の話は話半分で聞いておこう。
彼女は何やら考え込んでいる様ではあったが――。
「――で、どうやって決闘を申し込むの?」
問題はそこであった。幾ら竹槍で無敵になったとて、相手にされなければ意味が無い。
いきなり憲兵署に行き、決闘を申し込み、それを受ける訳が無い。それどころか、私達が反逆罪で捕まりかねない。
どんなに不利でも、取引を正式に成立させないと夫人を取り返せない。絶対に約束を守らせないと、同じことの繰り返しになり兼ねないからだ。
決闘に勝ちさえすれば、夫人も私達もお咎め無し、無罪放免――それが理想的である。
しかし、一体どうすれば――。
「やっぱり、先に助け出してだな――力の限り暴れ、破壊の限りを尽くし、恐怖を植え付け、『次、非国民狩りをしたら殺すぞ』と脅しをかける。もうこれしかないな」
今になって気が付いたが、彼女ってこんな性格だったっけ?
いざ表立って『第七感』を使おうとなってから、性格変わった?
あれ程冷静で、非国民を嫌っていた彼女は何処に――。
結局、その日のうちに結論は出なかった。
それこそ、そんなに簡単な話ではないのだ、結論などそう簡単には出ないだろう。
それに、明日は丁度学校の日でもある。何か情報が手に入れば、作戦も立てられるかもしれない。
そう彼女を、西條舞子を説得したのだった――。




