剣より強い
非国民代表――彼女曰、女学生達の非・国民的行動に値する自由と純情を守る為、私達でそれらが霞、目立たなく成るまで戦い続ける。
らしい――一体何と戦うのか…。
一晩中考えていたらしく、彼女の妄想じみた作戦は、もはや自意識過剰な被害妄想でしかなかった。
私はそれを一つ一つ丁寧に断りを入れ、最終的におチョコ夫人を助ける為に、非国民代表になる事で手を打った。
「ではまず、憲兵署を占拠し、宣戦布告を――」
「しない、しない――もっとコッソリと、誰にも見つからない様に助け出さなきゃ」
「だから、それじゃあ、また同じ事が繰り返されるだろ――私達の存在を、私達がやった事を証明しないと」
「だから、置手紙を――」
「ダメだそんなの。植え付けるんだ、恐怖を――非国民狩りが起これば、私達が助け出す。その行為が無駄である事を教えてやるんだ」
「じゃあ、一体どうすれば――」
「コソコソするから駄目なんだ。正面から堂々と行けばいい」
決闘を申し込む――夫人を賭け戦い、後腐れなく取り戻す。正々堂々、立会人や野次馬が居れば尚いい。
私達の存在が世に広まる。一石二鳥――。
彼女の作戦にしてはまともではあったが、決闘など申し込んで受けてもらえるのだろうか。
それに、夫人を賭けるということは、こちらも何か賭けなければいけないのでは?
負ける事など考えていない。彼女らしいと言えば彼女らしい。
「決闘って、一体何で戦うの?」
「そんなの竹槍でに決まっている。当たり前の事を聞くな」
「相手も竹槍を?――そう、うまくいくかしら。剣や、拳銃を使ってきたら?」
「竹槍が剣や、拳銃に負けるかよ――」




