注目
「それより夫人は、『おチョコ夫人』はどうなったの?――」
今更ではあるが、それが私達に今一番重要な事で、話し合わなければならない事であった。
「残念だが、あの話は事実だった――実際、夫人は非国民狩りに遭い、憲兵署に留置されている」
やっぱり本当だったのか――。
しかし、何故そんな事になってしまったのか。たかがMPだけで…。
こうなってしまった以上、夫人を助けたい。それが夫人に対する恩返しにもなるだろうし、またチョコレートを――。
とはいえ、あわよくば彼女の作戦や、この力を使わず穏便に助け出したいものだ。
女学生一丸となればどうにか――。
「何言っているんだ、この力はこういう時の為のものだろう?人の為に役立てたいと思わないのか?」
彼女の言う事はもっともであった。私もこの力を役立て――世間から注目を…。
何という事だ、私はこの力を使い、人々から注目され、ちやほやされたがっていたのか――。
そういえば、彼女、西條舞子との決闘も、女学生達から注目され、黄色い声援は心地が良かった。
あの時感じた、何か不安の様な、居た堪らない感覚は、もっと大勢の人間から注目されたくて――。
私はこの力を使い、英雄にでも成りたかったのだ。
「分かる、解る…。私もそうだった――初めは貴女に勝つ為だったけど、何時の間にか注目され、声援を受け、それが心地良くて…」
「――西條さん」
「さぁ、一緒に成りましょう。非国民代表に――」
「それはちょっと――」
彼女の言うそれは、私の思った理想とは何か違っていた。
何かこう、もっとかっこ良くならないか――。




