誰が――
『第七感』――そうは言われても、それは彼女の憶測でしかなかった。
しかし、私は強引に納得させられ、その名前の響きを気に入ってしまっていた。
ついでに言うと、呼び方が有った方が便利なのである――第六感が、魔法の何かに影響され変身するこの現象に。
西條さんにも教え、これからは『第七感』で統一しようと思っていた。
「ところで、それは一体誰の事なのかしら?」
「!――う、噂で聞いた様な…」
「そう、そんな噂が…。私はてっきり――そんな人物が何処かに居るのかしらね」
!?――そうか、もしかしたら私達の他にもそんな人が居るのかもしれないのか。
今では至る所で竹槍訓練を行っているのだから――私や西條さんが成れる位だし。
もしかしたら――。
「それじゃあ、私は一度お金を取りに行くわ。そろそろいいでしょう」
忘れていたが、世界を滅ぼし兼ねない書物を彼女に譲る事になっていたのだ。
まぁ、多分私達が持っていても仕様が無いし、彼女が持っていても世界は滅ばないだろう――それがチョコレートに化けるとあれば尚更で、断る理由は無かった。
「――じゃあね、魔女さん」
そう言うと、彼女は私の家の蔵から一冊の古書を持ち出し、そのまま行ってしまった。
随分、そそくさと出て行くと思ったが、古書の為、直ぐに戻ってくるのだろう――その為に急いでいたのだろう。
――そしてその少し後、直ぐにやって来た。
「ごめん下さい――」
戻りが早いなと思い、『それ程重要か――』等と内心笑っていた矢先――訪ねて来たのは見知らぬ人物だった。
「遅れて、大変申し訳ない――買い取り業者の物です」
じゃあ、彼女は一体――。
――それっきり彼女は、金髪の彼女は、私の家には戻って来なかった。




