魔女?
あれからどの位経ったのだろう。買い取り業者の彼女は、私の家の蔵で古書を見付けるや否や読み漁っていた。
私も私で、何時までもこの場に留まり、彼女の査定が終わるのを待つ事も無かったのだ。
しかし、どうにも彼女が気になり、彼女を蔵に一人にすることが出来なかった。
この金髪の彼女を――。
「――この書物は一体誰のものなの?」
読書に夢中で私の事など忘れているかと思ったが、彼女は唐突に話し掛けてきた。
突然の事に驚いてしまった――。
「はっ、はい!――えーとっ、それは…、お婆ちゃんが…」
「ならば、貴女のお婆様は『魔女』なの?――」
「はぁ?」
突然口を開いたと思えば、彼女は一体何を言っているのか?
『魔女』?――魔女ってあの、鍔の広い帽子に、黒づくめで箒に乗ったアレの事か。
「魔女って、あの、あの魔女ですか?」
「そう、その魔女。黒づくめで、箒に乗って、魔法を使う――」
本気で言っているのか――。
いや、冗談だろう。でなきゃ…。でも、もし――。
私の祖母が魔女。聞いた事が無い――もしかして、古書の中にそんな事が書かれていたのか。
なら、私は魔女の末裔?――。
いやいや、無い無い。魔女なんて居ないし――でも、もし本当に居たとしたら。
何なら、心当たりが無い訳でも無い。
『魔法の竹槍』――それと何か関係があるのか?
「祖母が魔女だというのですか?――」
「その可能性が高い――でなきゃ、ここに書いてある事が説明出来ない」
「――何が書いてあったのですか?」
暫くの間、彼女は何か考えていた様で、その間沈黙の時が流れた。
「う~ん。ここに書いてある事が本当なら、この書物で世界を滅ぼせるわ」
「はぁ?」




