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かぐや舞う  作者: 合川明日
♯ 1 『かぐや』と『姫』
17/70

金髪

「ごめんください!――」


 家で一人留守番(るすばん)をしていた私のもとへ、ようやく買い取り業者ぎょうしゃがやって来た。


 約束やくそくの時間から一時間近くの遅れであった。


 私は開口かいこう一番、文句もんくの一つでも言ってやろうと決めていたのだが、その威勢いせいも、その人物を目にした瞬間しゅんかん消え失せた。


「ごめんあそばせ。わたくし、いそいでいたのだけれども…。人に――」


 おどろきのあまり言葉を失ったが、彼女のそれは――そう、西條さいじょう舞子まいこのよく言う言葉をりると、『国民こくみんてき』であった。


「とっ、取りえずどうぞ。こちらです――」


 金髪きんぱつ――鎖国さこくである以上、外国人がるのであろうか。いや、居たとしてもおかしい事は無い。ただ彼女は、この女性はあきらかに外国人ではない。


 しかし、その髪は金色こんじきかがやき、棚引たなびいていた。


「はぁ、はぁ――」


 彼女も急いで来たらしくいきが上がっていた。遅れていた事を自覚じかくし、必死ひっしになって来てくれた事に私はこれ以上何も言えなかった。


 突然とつぜんの事に私も呆気あっけに取られていたが、彼女は彼女で何か、ちない様子ようすではあった。


 金髪について、れておいた方が良かったのか?――。


 そんな事を考えながら、私は彼女をくらまで案内あんないした。


「――こちらです」


「そうね、こっちの方がいいわ――」


 ?彼女は何か合点がてんがいった様子で、納得なっとくしていた。蔵の事は言っていなかったのか?――。


「蔵の物は全てご自由にごらん下さい。ここにる物が全てです――」


「まぁ、ありがとう――とても沢山たくさんあるのね」


「いえ、これでも半分までって。てつで出来た物は軍に回収かいしゅうされてしまったんです」


「そう――でしたら、書物しょもつなどはございまして?わたくし、古書こしょ得意とくいですの」


多分たぶん何処どこかには――どうか、さがしてみて下さい」


 そう言うと彼女は、ほかしな々には目もくれず書物を探した。目を輝かせながら――。


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