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かぐや舞う  作者: 合川明日
♯ 1 『かぐや』と『姫』
13/70

予科練

「まさか夫人ふじんは、『予科練よかれん』にれて行かれたりしてないよね?――」


「『べに百合ゆり』――。でもあれはうわさでしょう」


 『予科練』――。『戦闘機せんとうき予科よか練習生れんしゅうせい』のりゃく志願制しがんせいの戦闘機搭乗員(とうじょういん)養成ようせい制度せいど年頃としごろの男子が集められ、戦場せんじょうおくため訓練くんれんをさせられていた。


 これに志願しなければ非国民ひこくみんののしられていた。


 しかし、少数しょうすうではあるが、女子によるそれも存在そんざいした。


 『紅百合』――。『看護かんご予科よか訓練生くんれんせい』。戦闘はしないが戦場へ行き、衛生兵えいせいへいとしてはたらく為女子が集められた。その総称そうしょう


 募集ぼしゅうはしているが、志願するものなどらず、はん強制的きょうせいてきに集められていた。


 その一つの方法が非国民()りであった。


「まだそうと決まったわけではないわ――」


「そうね、非国民狩りにった事も本当かどうか」


「でしたら、夫人の家に行ってみましょう!」


 ――錬女れんじょの生徒達は決起けっきし、おチョコ夫人の家に行くという。私も来てしいと言われたが、その場は適当てきとう誤魔化ごまかし、その日は、試合はおひらきとなった。


 私とおじょうは、みなが帰った後、魔法まほう竹槍たけやりを見つからないようかくし、帰る用意よういをしていた。


 自分達の正体しょうたいかくす為とはいえ、私も皆と夫人の家にんで行きたかった。


 今からでも行きたいところだったが、私は夫人の家の場所が分からず、どうすることも出来なかった。


 夫人に会いたい――会って無事ぶじたしかめたい。全てうそだと言われたい。


 夫人――。


「――もし、かりに非国民狩りでつかまったとしたら、その人物じんぶつはまず憲兵けんぺいしょれて行かれるはずだ」


西條さいじょうさん、それは本当!?じゃあ、そちらに行けば――」


「しかし、そこに居るということは、最悪さいあくを意味する。それでも行くか?」


 そんな事(しん)じない。きっと夫人はお屋敷やしきに居る筈――今頃いまごろ優雅ゆうがにチョコレートを食べながら。

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