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かぐや舞う  作者: 合川明日
♯ 1 『かぐや』と『姫』
11/70

決着

 試合は何時いつも通り決着けっちゃくが付かないまま、長期戦の様相ようそうだった――。


 しかし実力の差なのか、徐々に私はめられていた。


「はぁはぁ…。キツイ――」


 最近になってその差は顕著けんちょに表れ、私は彼女の攻撃を防ぐことで精一杯だった。


 そろそろこの試合自体潮時(しおどき)か――女学生のチョコレートがかっているのだから、負けずとも勝てない試合はしない方が良い。


「――どうやら決着が付きそうも無いな…。今日はどうする?またジャンケンで決めるか?」


「えっ!――」


 傍目はためには解らないだろうが、彼女が私の劣勢れっせいに気が付かない訳がない。このまま試合を続けていたら私は、負けて――。


「このおよんでジャンケンで決着だなんて…。今日は私が――」


「なら引き分けね。また次に――次までにきたえ直す事だな」


 見ていた女学生達はざわつき、落胆らくたんの声が聞こえたが、次第しだいにそれは拍手はくしゅへ変わった。


 安堵あんどしているのだろう、チョコレートをられなかったとはいえ、うしなった訳ではないのだから。


 しかし、試合は今日限りにしよう。やめよう――ただ勝てないからではない。


 私は何をやっているのか。むなしさがみ上げる。この力、こんな事に使うためのものではないはず。もっと何か誰かのやくに――。


 今、何がこの国で、世界で起こっているのか?私はそれを日々の中で忘れそうになる。現実味げんじつみが無い。


 こんな事をしているのだ、今、戦争をしているなんて――自分には関係ない。そう思えてしまう。


「『おじょう』、こんな事もうめ――」


 そう、言いかけた時だった――一人ひとりの女学生が血相けっそうを変えて道場へ飛び込んで来た。


「大変!『おチョコ夫人ふじん』が……。おチョコ夫人が『非国民ひこくみんり』に!!――」


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