試合開始
「これより、『百合女』代表『お嬢』対、『錬女』代表『姫』の、無制限一本勝負竹槍試合。『竹道』を始めたいと思います」
私とお嬢は、道場中央へ呼ばれ、何に対しての礼なのか、互いに礼をさせられた。
「何時から私達の試合を『竹道』と呼ぶ様に成ったの?」
「知らないわよ。所詮錬女が考えそうな事ね」
この試合に規則なんてものは無かった。唯、相手に竹槍を当てたら勝ち。
しかし、それが難しい。
私とお嬢の能力は、危険を避ける為のもの。詳しくは解らないが、竹槍でそれが高められるから、まず当たらない。
長期戦になる事も多く、無理矢理勝敗を決めさせられていた。
「それでは――始め!」
合図と共に始められた試合だったが、私は彼女程乗り気ではなかった。
「おーーえす!!」
彼女の場合、私に借りを返そうと息巻いているが、私には戦う理由も無かった。
唯、チョコレートの為に。
開始と同時に彼女は私に仕掛けて来た――。
竹槍を薙刀の様に扱い、突くというより掃う感じだ。私の竹槍は上下左右に弾かれ、彼女に攻め込まれていた。
私も唯黙っている訳ではない。一方的に攻められている様でも、寸前のところで私の身体は攻撃を避け、翻弄されている様でも、うまく捌いていた。
私の身体が勝手に――。
身体能力も上がり、私もそれなりに戦える様には成ったが、肝心の所、絶対絶命のところは、体が勝手に私を守ってくれた。
私の攻め、攻撃と言っても、彼女の様に何か流派が有る訳でも、竹槍訓練で何かを教わった訳でもないので、全てが直線的だった。
所謂、突き一本。そんなものは彼女に軽くあしらわれた。
というより、彼女は私の攻撃が読める様で、突く前から避けていた。
『危機察知能力』――彼女のそれは、そうとしかいえなかった。
自分で言うのもあれだが、変身した私の突きは凄かった。残像が見える程の速度だったのだから、それを避けるとなると、そう考えるしかなかった。




