1vs20でも余裕でしょ(・∀・)⑤
今回最終決戦ということで、今までよりかは少し長くなりました。
次回はそのマッチの終了後のお話や、キャラ紹介などいろいろとなんかします。
深夜に作業しているのでもう眠たいです。
赤青戦が始まる前のこと・・・・
「もう一度スキルを見ておこう。」
櫻木は待機時間中、スキル詳細や、武器などをこと細かく見ていた。
その中で、新しい発見をした。
「イカサマシャフル。トランプカードを五枚消滅させることで、指定のカードを1枚好きな順番に置くことができる。」
「だけど、それだと使用回数に限度があるし、何よりスキルを使う回数が無くなる。」
「だけど、この効果が気になる。」
櫻木が気になったのは、イカサマシャフルの隠し効果であった。
少し小さく、トランプ効果と書かれているが、意味がわからない。
だが、試してみる必要がある。
だから、櫻木はこれについて試していた。
ハクタとの戦いでも、アユタとの遭遇の時に、試していたのだ。
そして、その全てがわかった。
そもそもトランプ効果というのは、簡単にいえば、マークの種類によって変わるのだ。
そう、マークだ。
スペード・クラブ・ハート・ダイヤ。
この4つが様々な効果を持っている。
まずスペードはホーミング弾。
カードを投げた時、敵に向かって追尾する。
威力は距離によって変わる。
近ければ遅く、遠ければ速い。
そして、速度によってダメージも変わるようだ。
この前のあの戦士たちの時に、銃弾を防ぐためその銃弾をマークし、投げた。
だからこの時にスペードにはホーミング機能があると確信した。
次にダイヤ。
ダイヤに関してはミスディレクションのついでに少し発動している。
どうやら効果は弾といってもダメージを与えない幻影弾だからな。
この幻影弾は、俺にしか見えない銃弾。
これだけ聞いたら意味あるのかと思う。
だけど、この銃弾の標的は相手以外だ。
簡単にいえば、武器や壁、床、天井、そしてステージの仕掛けに反応する。
リボルバーの弾倉回転は撃つ時ではなく、その幻影弾がかすった時だからな。
そして、このように考えている時に、あいつは来るんだよ。
障害物のない、あの大人数戦法のやからを倒したとこに。
たとえ誘い出すとわかっていても、こっちから攻撃すれば相手は混乱する。
もちろん俺は場所が分かりやすいように、端っこにいる。
ここで1つ教えてやろう。
FPSゲームでは、特に敵の位置を知ることが重要である。
そして、キャラとか職業とか関係なく知ることが出来る方法がある。
それは・・・音だ。
アンバラは足を踏み出した時、真横にいる櫻木から奇襲をうける。
だがこの時に櫻木は知った。
狩人のある一つの能力に。
アンバラはとっさにスキルを発動する。
櫻木は、アンバラの異変に気づき、後ずさる。
アンバラはそのスキルによって、銃弾を避けたのだ。
アンバラの姿はまさしく恐怖を象徴させていた。
赤い瞳に、血に濡れた斧。
着ていたボロボロのローブも黒く染っている。
「うっへぇ。やばいなお前。まさか理性を失っていないだろうな。」
櫻木は驚いていた。
ガンフラってこんなんだったっけ?
なんかすんごいホラーテイストだもん。
「理性はありますよ。・・・単なる強化ですから。」
アンバラはいつの間にか目の前にいて、素早く斧を振りかざす。
櫻木は何とか避けようとするが、あまりにもの早さに、完全には避けきれなかった。
幸い、致命傷にはならなかったが、仮面半分が壊れた。
「しかし、どうやって僕を騙せたんですか。」
「それ今言うんだ。」
アンバラは、下を向いた。
「アユタさんのを使ったんですか。」
床にあったのは、ハッカーアユタの持っていた光学迷彩であった。
「あのハッカー、アユタっていうのか。」
「そして、囮用の案山子ですか。・・・流石ですね。」
「あと、そんなふうに話してていいの?時間とかは?」
「そんな風に気にかけなくてもいいですよ。あと、この能力は時間なんてありません。」
「チート過ぎん。」
「リスクがでかいだけです。」
アンバラは、対面勝負へと移る。
櫻木はミスディレクションを起こそうとする。
ダイヤのトランプが真上で回転する。
だが、透明になったのは油断だ。
本当はこの時のためだ。
櫻木は銃を撃った。
その銃弾はアンバラの僅か50cmにあった。
アンバラは、その銃弾を斧で真横から一刀両断した。
すると、銃弾が光り輝く。
そして、爆発した。
だがアンバラはそれを察知し、後ろへ下がる。
そして気づいたのだ。
「まさか、あの時に嘘を言ったんですか。」
「そうだよ。」
あの時とは、アンバラのリボルバーが破壊された時であった。
弾倉から回転する時にそこが薬室で、ガスが発生したという事例はあった。
しかし、発砲音が大きいのと、サイレンスを付けれない理由の一つである。
つまり、あれは最初からガス引火なんかは関係なかったのだ。
では何故か。
それは、赤青戦よりも前。
まだゲームを始めたばかりの時である。
櫻木はとある銃弾を買っていた。
それは爆裂弾
当たったりすると、爆発する銃弾だ。
もともとハンドガンは決まっていたが、威力的には不十分だった。
だからあの時に買っていたのだ。
櫻木から出た豆知識は嘘であり、爆裂弾を相手にさとらせない理由であった。
この爆発を見たアンバラは距離を置く。
その爆発の煙のおかげで、櫻木は上の方へと逃げた。
アンバラも櫻木に向かって上へと行く。
アンバラは軽がるとジャンプをし、櫻木の方へと着地する。
その瞬間に、幻影弾がアンバラに向かい発射された。
もちろんアンバラにはダメージはないが、その代わりステージには、跡ができる。
アンバラは、櫻木から離れる。
櫻木はこの時におそらく予想はできたようだ。
予想というよりはほとんど正解のようなものである。
櫻木は飛び降りる。
アンバラは櫻木を追うが、少しとどまってから下に降りた。
下に降りる様子は、偉く慎重であった。
そして、櫻木はこのスキルの弱点に気づく。
「お前、体力がないんだろ。」
そう。
アンバラはいつもとは違っていた。
爆発や銃弾による警戒。
高所からの飛び降り。
アンバラのスキル ハンティングバーサークの効果が明らかとなった。
ハンティングバーサークは、自身を大幅に強化し、メインウウェポンを斧にする。
一見強そうと思うが、問題は体力である。
このスキルの最大のデメリットは、残り体力を1にする。
そして、斧以外の武器は使えないというものであった。
まさしく諸刃の剣のようなものであった。
「それがわかったらなんです。」
アンバラは開き直っていた。
「わかれば簡単だよ。これで、倒す算段はもうついた。」
櫻木はトランプカードを五枚アンバラに向かって投げた。
アンバラは警戒し、それらを避けたのだ。
そして追加で銃弾が飛んでくる。
だが、ハンティングバーサークは動体視力をも強化されている。
流れる銃弾やトランプは簡単に切れる。
だが、爆裂弾があると知っているため、迂闊に切る事ができなかった。
一つの確信により、アンバラは攻撃することが難関となった。
けど、櫻木は知っている。
爆裂弾はもうなかった。
櫻木は爆裂弾を2発しか用意していなかったのだ。
理由は通貨不足だからだ。
ガンフラット・オンラインにはショップというものがある。
その中には武器以外にも、職業専用の道具、銃弾、投擲具、回復キットなどが売ってある。
買うにはもちろんお金が必要。
もともと櫻木の所持金は初期から2000あったが、買った爆裂弾は1弾に1000、それを2つ買ったため使い果たしてしまったのだ。
だから爆裂弾もない。
けど、相手はそんなことも知らない。
どう考えても櫻木が圧倒的に優勢であった。
だが、考えが甘かったようだ。
「・・・しまった、弾切れだ。」
もちろん銃弾は無限にある訳では無い。
特にこのルールはリスポありなので死んだ時に銃弾も復活する。
通常の弾はもともと決まっており、ハンドガンだとおおよそリロード三回が限界である。
また、ダイヤのトランプ効果は銃弾を一つ消費したりするので、勿体ない使い方をしているのだ。
アンバラはこのチャンスを待っていた。
最も爆裂弾を所持していたとしても、銃撃を止めた時に攻撃するからだ。
アンバラは自分があたかも劣勢に見せ、消耗戦の方へと変えていったのだ。
櫻木は後ろへ下がるが、もう遅い。
アンバラはこの瞬間に距離を縮める。
「終わりです、カマボコさん。」
櫻木は視線をそらす。
アンバラは櫻木の視線の先に目を動かした。
すると、壁に刺さっていたトランプの1枚がアンバラに向かって飛んでくる。
だがアンバラはそれを知っていたのか、斧を後ろへ振り、飛んできたトランプを真っ二つに切る。
そしてそこから勢いをつけ、櫻木の首を狙った。
櫻木はこの時にある行動をした。
右手に持っているハンドガンで受け流し、斧の軌道を逸らした。
斧は斜め上にいき、アンバラは体勢を崩す。
「終わるのは・・・・お前だ。」
隙ができたアンバラに櫻木は左ストレートをくらわす。
アンバラの体力は1。
つまり、何かしらでダメージを発生させればいい。
それは、近接攻撃も有効であった。
その左ストレートは、アンバラの顔面に命中した。
これで倒れるかと思いきや、無理であった。
「流石ですね。」
「ですけど、僕の体力はまだまだありますよ。」
櫻木は驚いた。
同時に、あることに気づいた。
「解除したのか。」
アンバラはもうハンティングバーサークを解除していた。
彼の持つ武器は血塗れた斧ではない。
弓であった。
しかし、それでもおかしいのである。
たとえ解除していたとしても、普通はやられている。
「・・・まさか、スキルを使ったか。」
「回復スキル[自然治癒]この効果は自身の体力が10未満であった時、体力が20となり1秒ごとに、2ずつ回復する。」
見落としていた。
狩人は単独行動をメインとした職業。
さっきの特大な強化があれば、その逆に回復を持つに決まっている。
判断が甘すぎたんだ。
いや、過信していたんだ。
自分が勝つと。
櫻木は膝から崩れ落ちた。
「あなたはもう瀬戸際の状態。今度こそ終止符をつけましょう。」
「・・・・なんてな。」
櫻木の発言にアンバラは首を傾げる。
「俺はマジシャンだ。だから、これもまたイリュージョンだ。」
「なにを言って・・・・」
アンバラは察知した。
何者かが背後に立っている。
アンバラは後ろを振り向き、そのまま矢を放つ。
まさかとは思った。
櫻木はアンバラの背後に銃を構え、立っている。
「ですが、裏をかくなんてよくある話です。よく漁夫とか警戒する時は後ろを見るんですよ。」
アンバラの放った矢が、櫻木の胸部に放たれる。
でも、それは違っていた。
胸部を貫いた矢は、そのまま刺さらずに貫通した。
特に、貫通したあとはなく、まるで煙を撃ったかのように元の状態へと戻っていったのだ。
その直後に櫻木の姿が一気に無数のトランプとなり、アンバラの目の前で舞散った。
スキル 騙し討ち
ジョーカーと、トランプ10枚を使用するスキル。
このスキルはデコイを作ること。
そのデコイの画面上に場所が特定される。
アンバラが気づけたのもその効果によるもの。
では逆に櫻木はどうなったかというと、アンバラが翻弄されただけで、櫻木本人は今アンバラの背後にいる。
アンバラは偽物と気づいたが、もう遅い。
櫻木はアンバラに回し蹴りをくらわす。
「だから、後ろを見ているんです。」
その回し蹴りを右腕で受け止める。
そして、左手で握っている矢を櫻木に向かって刺しにいった。
「そう来ると思ったよ。」
櫻木はもう何も装備していない。
ハンドガンは使えなくなり、トランプは枚数切れをしている。
だが、何も持っていないでは無いのだ。
櫻木は、裾に隠していたクラブのトランプをアンバラに見せる。
そのトランプから、矢が出現してきた。
その矢は、アンバラの攻撃よりも早かった。
その矢はアンバラの左肩を貫いた。
・・・・終わった。
アンバラは後ろへ倒れる。
体力は僅かに残っているが、勝敗はもう決していたのだ。
[試合終了 赤チームの勝利]
ビーと音がなり、制限時間終了のお知らせと共にウィンドウが開いた。
スコアでいえばおよそ15:0と圧勝であった。
また、勝利時の報酬もたんまり貰ったのだ。
「やっぱり勝てませんでした。」
「惜しかったと思うぞ、俺からすれば。」
後ろに倒れたアンバラを櫻木は起こす。
その対決は後にある者の目にとまった。
ガンフラット・オンライン
豆知識
マジシャンについて
マジシャンは、スキルの使用条件やパッシブなど使いにくい職業である。
過去にマジシャンを使った人達はおよそ数人で、その職業で勝つことはほとんどないという。
しかし、運営には目立った点があまりないため、修正が入らない。




