アンダータワー物語 中編 ( ̄◇ ̄;)ワァ
ハッピバースデートゥーミー。
きょうは私の誕生日です。
いやーもう完全に忘れてたわ。
突如暗転したアンダータワー
プレイヤー全員の視界が閉ざされる。
「どういうことだ。」
「いきなり真っ暗に。」
「なんなんだよこんなイベント聞いてねーぞ。」
ほとんどのプレイヤーが冷静さを失い、歩き回る。
だがそんなプレイヤーを狙うものが現れる。
モルトンは声のする方向に走り、ナイフを刺していく。
上半身にナイフを的確に刺す。
まるで見えているかのような動きであった。
人が倒れる音と駆け巡る足音。
それらの音がこの空間内に取り残されているかのようであり、その音以外はまるでなかったかのような扱いであった。
「くそ。ぶっぱなす」
ミニガンを持ったプレイヤーが回りながら乱射する。
暗闇の中で咄嗟に思い付いた脳筋プレーある。
しかしモルトンは壁に向かい走り、そのまま壁を蹴って射線の上側を行く。
空中でナイフを素早く取り出し、そこから銃声のする方向に投げる。
ナイフはプレイヤーの頭部に刺さる。
その瞬間銃声が止まり、モルトンが着地した瞬間、横から強い衝撃が来る。
足があった。
横を見ると足が真横にあったのだ。
咄嗟に防御したが耐えきれず、そのまま吹っ飛ぶ。
モルトンは体を回転させ、衝撃を受け流す。
その瞬間でも遠心力を使い、高速でナイフを投げる。
するとナイフは足で弾かれ、真上に飛ぶ。
「闇討ちって。正直聞きたいところ色々あるけどさ。何で知ってんの。」
櫻木がモルトンの近くに来る。
「何で知っている?どういう意味ですか。」
「だってそのやり方独自で生み出したとかだったらすごいけどさ。どう考えても正確すぎるでしょ。」
「・・・・」
「黙るってことは、知ってるんだろ。俺の存在も。」
「一応周りに人はいないか確認したら。」
モルトンの提案に櫻木はハッとした。
「いや辺りが暗いから分からないんだけど。」
すると真正面から無数のナイフが迫ってくる。
櫻木はそれらをすべて捌けず、右手にナイフが刺さる。
「そもそもいないのは知ってるんだよ。セコンドハンド。」
「何でその名前を。」
「簡単な話だよ。私も同じ界隈の人間だからね。」
「まさか殺し屋・・・ではないな。だってビジネスマンだし。」
「おいその判断基準はやめたまえ。」
「だっていないでしょ。スーツ着てて人殺すとか。悪の教典かよ。」
「いやあれサイコキラーのことでしょ。というかよくその例え出るな。」
「まあ日本を学ぶための勉強でね。」
「ホラーとサスペンス混じった小説を見て覚えるのは恐怖と殺意だよ。」
「というより話題を勝手に変えるな。」
「それ私のセリフ。」
「モルトン。貴様は何者だ。」
「何者って・・・ただの記者だけど。」
記者?
え記者?
櫻木は少し困惑した。
「裏社会ではご存じの雑誌『シャットリボーン』で殺し屋情報を担当する記者、モルトンだ。」
「何それ?」
モルトンが正体を現した結果、櫻木はきょとんとした感じでそう返す。
「・・・・まさか知らない。」
「いやご存じと言われても。」
「あの『シャットリボーン』だよ。」
「いえそこまで。」
「表社会で言うマガジンだよ。マガジンなんだよこの雑誌は。」
「いえ雑誌とか見ないんで。」
「・・・・」
「正直ニュース系はネット派なんで。」
「マンガもあるぞ。」
「いやあのアプリで見るんでそういうの。」
「海外にも出てるけど。」
「・・・なんかすいませんでした。」
櫻木は申し訳なさがあり、モルトンに謝った。
[アンダータワー フェイズピースフル]
周りが明るくなり、辺りを見渡す。
そこに居るのはBPとマオが遠くにいた。
そして俺らよりも死闘を行っていた。
しかしなにか違和感を感じる。
なんで傷が無くなっているんだ。
櫻木は手に刺さったナイフを引き抜く。
するとどんどんと傷がふさがっていったのだ。
「なるほどね。今は回復フェイズね。」
「ああ、なるほど。暗転→回復→暗転・・・て感じに繰り返されるのか。」
「そう。だからこうしても。」
モルトンはナイフを腹にさす。
切腹したモルトンであったが、なぜか傷は瞬時に回復し気づけば元通りになっていた。
「やっぱりこの時は攻撃しても実質ノーダメージ。多分クリティカル攻撃も無効化になる。」
[アンダータワー フェイズヘル]
周囲が赤くなり、押しつぶされる感覚がある。
まさか、重力か。
するとHPが減っていき、気が付けば残り1となっていた。
櫻木はショットガンで撃つ。
しかし弾の方も重力の影響を受けたのか、弾の軌道は大きく下にいった。
モルトンは足を踏み出すが、遅くなっている。
重力による負荷の表れであるのか、移動速度も遅くなっているのだ。
「っ動きづらい。」
モルトンは何とか走ることに成功。
そして櫻木はモルトンから逃げる。
重力かによる影響もあり、速度が遅くなっているが、問題はHPが1であることだ。
つまり即死を意味する。
だが逃げた先にいたのはBPとマオ。
二人は櫻木、モルトンよりも動けている。
その中でもマオは二人の現状を見逃さなかった。
マオはグレネードを思いっきり上に投げる。
そのグレネードは素早く下に落ち、爆発する。
爆発物はこの場ではかなりの凶器だ。
爆発は重力の影響を受けない。
それどころか広範囲による攻撃はかなりのものだ。
瀕死の今なら敵味方問わず避けたいものだ。
二人は何とか爆発から逃れる。
[まもなく範囲が収縮します。]
範囲!!
全員の脳裏にその単語がよぎる。
そうだ、この状況下での範囲ダメージは即死だ。
どうやって攻略する。
収縮終了まで残り2分
現在のキル数クラン内のランキング順
マオ、98
BP、89
アメイリ、78120
パンプキン、15600死亡
ユウユウ、5000死亡
メイメイ、0死亡
モルトン、42
アルターエゴ、43
ブックス、142
ドラゴンロード、0




