この最高の方程式に祝杯を \\\(⁻▽⁻)///ウェーイ
ミリスパ編は終了です。
いやー最近バトロワとか原神とかしてますが、今はアンダーテールをやってます。
サンズ戦って見たら意外に簡単そうに見えるけど、実際やると難しいね。
あと、作品の感想も頂きました。
暖かいコメントありがとうございます。
もし作品の感想また気になる質問もございましたら遠慮せずに気軽に書いてください。
ちなみに返信しづらいコメントは消してしまうかもしれないので、そこのところご了承ください。
櫻木対マオの決着
それは誰しもが驚いた決着であった。
櫻木の背後からの唐突な飛びナイフ。
ある一種の偶然から引き起こされたのか、それとも必然的に起こされたのか。
それを知るのは勝者と敗者だけである。
試合が終わり、1:2で勝者はマオであった。
しかしそれよりも一番印象に残っているのはマオの勝利ではない。
櫻木とマオの熾烈な戦い。
この場にいるすべての人間はこの戦いそのものを称えるに等しい。
生配信から見ている視聴者は[88888888888888]と送っている。
そしてこの戦いの観戦者である旧世界のクランメンバーである、アメイリ・パンプキン・ユウユウ・メイメイも拍手をしている。
そして、マオと櫻木の戦いは幕を下ろした。
未だにパンプキン及び仲間の声をミュートにしながら、櫻木はマオに近づいた。
「ああなんだい。まさか勝者を称えに来たのかい。」
マオは座りながら笑顔で櫻木に聞いた。
「違うよ。」
櫻木はその一言を放ち、マオの真正面に座った。
そしてそのまま装備していたナイフをマオに見せる。
「何のマネだい。」
「何のマネとは。」
「いやだから・・・・・ああ、そういうことか。」
マオは櫻木の顔を見て納得した。
「教えるよ、私の勝因を。」
そうため息をつきながらマオは呟く。
「まず、さっきの試合はね、100パー勝とうとしたんだよね。100パー。でもね、それでも結局は負けてしまったんだよね。きみは。」
「どういうことですか」
「まあまあそう急かすな。でもあの最後はね、正直なところ賭けだったんだ。」
「賭けってことは・・・そういうことですか。」
「物分かりが早くて助かるよ。そう、初めはあの時、君があの奇襲で私のところに蹴らなかったら、私はもう君を倒してた。」
あの時とは、ロケランによる奇襲攻撃。
その時にもし、マオさんの位置に蹴らなかったら俺はもう死んでいた。
「はい、ここからは君のターンだ。」
マオは手を伸ばし、櫻木に向ける。
「ああ、私が聞かなくちゃならないか。」
マオは前言撤回という意味でなのか、わざわざ、わざとらしく大きくせき込んだ。
「なぜ君は、私の場所が分かったんだい。」
マオは顔を近づける。
ゲームでこんなに近づけていたら、きっと現実でも猫背みたいな感じで前のめりになっているだろう。
でも答えたくはないんだよな。
考えて見てくれ。
坂道にボールを転がすときってどこから転がすか。
転んできた先だろ。
そんな垂直に曲がるなんてさ、どこのピタゴラスイッチだ。
「あの、やっぱりこの質問はなしにしようか。」
突然マオは笑いながらさっきの話はなしにしようとした。
後から考えたら分かるのにそれが今とは。
別に俺は止めもしなかった。
だって、もう赤っ恥を掻いているから。
それに止めたら怒るし。
「馬鹿にしたかい。」
「イエナニモ」
「まったく棒読みとは腹立たしい。」
マオは腕を組む。
「じゃああの爆発は何だったんだ。私はあれで死の淵までいったが。」
そう、櫻木の勝因ともなりえたマオの爆発。
あれはゲーム上のバグではない。
「それは、これ使いましたもん」
櫻木はポケットに入っていた長細い物体を取り出した。
それは、炎の中に入れたかのような焦げ跡が残っている。
「ああ、ワイヤーか。えっワイヤー。」
マオもさすがに驚いた。
「いやいやだとしても、そのワイヤーでどうしたんだい。まさか爆発属性を含んでいるんじゃないかい。」
「いや普通のワイヤーです。」
「そこはのれよ」
櫻木のきっぱりとした発言にマオはツッコんだ。
それでも分からなかった。
なぜならワイヤーで爆発を起こすことなんてできないし、それにいつどこで彼が使ったのかという疑問もある。
「簡単ですよ。」
「かんたん?どこがだい。そこからどうやって行ったんだい。そもそもワイヤーなんて一体いつから。」
「マオさん、装備を確認してください。」
マオは櫻木の言う通りメニュー画面を開く。
するとマオは目を丸くした。
そいてそこから苦笑いをした。
驚愕のあまり、感情がもろに出たのであろう。
「いやいやいやいや。でもだとしたら一体いつ仕掛けたんだ。・・・・まさか、あの時すでに。」
「はい、俺がマオさんに向かってロケランを蹴ったときに、仕込んだんです。ワイヤーを。」
そう、櫻木はロケランを蹴った後にワイヤーもロケランに続くように投げたのだ。
そもそも、マオがロケランを不用意に投げることなんてないと思っていたのだ。
櫻木はそれを蹴飛ばし、マオを爆発で巻き込もうとした。
しかし運悪く爆発の射程はマオに届かなかった。
だけどその代わりにある一種の光明の矢がマオのすぐそばまで来た。
それがワイヤーだった。
櫻木は意図的に爆発寸前の時にワイヤーを投げた。
マオはその時にワイヤーを確認することが出来なかった。
いや、確認しなかったのだ。
もし蹴り返されていても爆発に巻き込まれることなくするには射程外に行くこと。
マオは近くで爆発が起きると鼻から分かったうえで、櫻木を攻撃してきた。
しかし、その慢心が自らの首を絞めた。
爆発が起きた後、彼(彼女)はその次の作戦に行くことにした。
マオは予めグレネードを1個残していた。
その理由は単純で、マオは櫻木が油断したときにそれを使う算段であった。
だが櫻木はそれ込みでの作戦に移った。
マオが全て使うはずがないと櫻木は断定した。
そしてその通りに事は進む。
グレネードはシステム上、腰にかかるようになっている。
マオはそれをわかっていたため、櫻木との戦闘では腰の後ろにそれがある。
だが櫻木はマオの真正面ではなく、遠くからでも気づきにくいように、わざと斜めの位置に立っていた。
そしてそこからブラフで時間稼ぎをし、マオの持ったグレネードを確認。
そして武器をしまうことで、集中力を櫻木自身に当て、そこからフェイクボムに集中力をいかせた。
これによってマオは狙っている最中に。櫻木はワイヤーでグレネードの位置と引き金を引いた。
さっきメニュー画面を開き、マオが驚いていたのは、装備していたグレネードが消えていたからである。
だけどマオがそれよりも怖かったのが櫻木のやり方であった。
ワイヤーとはいえ、間近でもなくかつ死角となっていたところに引っかけるなんて、普通は出来ない。
計算づくで出した一つの解であり、素人からしたら神業の一つだ。
マオはこう思っているが、まだ根本的な解決には至ってないのだ。
最後に起きた背後からのナイフ。
もしそれが偶然の産物ならば、マオはきっと運だときっぱりと決めている。
だけど彼(彼女)が黙っているならそれはマオによる攻撃の一種である。
「最後の攻撃はマオさんが起こしたんですよね。」
櫻木は問答無用で聞いた。
「いやー、これさ。ちょっと君の発言を真似てるわけじゃないんだけどね。ただ投げただけなんだよ。」
「いや、言っている意味がよく分からないのだが。」
「だから、君のナイフを盗って爆発と共に後ろに投げたんだ。」
そう、マオは既に櫻木からナイフを盗っていたのだ。
そして爆発があった時に、マオはナイフを後ろに投げた。
「でも、結局は運だったとか言いませんよね。」
「いやもちろん賭けだったんだよ。だけど君に勝ったから、結局勝てた。」
「はい?」
櫻木は不思議に思った。
マオはナイフを当てることが運ではなく、櫻木の行動が運勝負であると発しているかのようであった。
「私はね、わざと後ろに行ったんだよ。」
そう、マオは吹っ飛んだのではなく後ろに進んだと櫻木に告げた。
でも櫻木は納得した。
マオは爆発に巻き込まれた後、確かに吹っ飛んだが、そこから後ろに数歩進んだのだ。
そして、マオの狙い通りに櫻木はナイフの着地位置に誘い込んだ。
つまり櫻木がもしマオに近づかなかったら、この勝負は櫻木の勝ちとなっていた。
「もういいです。さあなんですかー。何かあるんですかー。」
櫻木は足を伸ばし、後ろに手を付きながら棒読みでマオに言った。
「いや、罰ゲームとかはないよ。でも」
「でも?」
「私はこのルールを犯す。アルターエゴくんの我儘にも付き合ってあげるよ。」
「まさか。」
「そう、そのまさかだ。私はガンフラでリクリエーターとして降臨する。」
マオは強く断言した。
そしてこの試合はマオが勝ち、ガンフラへの移行を決意した。
試合終了後の話
「いやー良かったよマオさん、アルターエゴくん。」
「すいませんね2人とも、姉ちゃん再生数が歴代1位の喜びと2人の戦いの歓喜の対立で情緒不安定なんです。」
メイメイはマイク越しでも泣いていることが分かる。
「おいアルターエゴ。」
「なんですか、パンプキンさん。」
「・・・かっこよかったぞ。」
「なにゆえ照れておる南瓜よ。」
「アメイリ、照れてねえよ。」
「照れてますよね。」
「うるさいなエゴ。でも、俺の方がまだ強いからな。」
「わあー、ブックちゃん5万も投げ銭ありがとー(泣)。」
「ははは、パンプキンの作った空気も潰れたな。」
「おいマオ。俺とも勝負しろ。」
「今午後の11時半だよ。明日仕事だろ。」
「どうせ4時起きなんだ、貫徹してもいいんだよ。」
「深夜テンションでの授業って嫌ですよ。」
「ユウユウくんいいこと言うねー。」
「じゃあ俺はそろそろ出ますね。」
「えー、まだこれからなのに。」
「もう疲れました。」
「ああ確かにあの激戦の後じゃ普通疲れるよね。」
「マオ殿が異常であるな。」
「悪かったな異常で。」
「それじゃあもう寝ますね。」
「おやすみー。」
全員からそう言われ、櫻木はミリスパを切った。




