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最強の殺し屋は引退した後ゲーム廃人になるらしいです  作者: ドンドコ
間章 機械星、さらなるものへ
199/204

トマト缶をつぶすやり方を知っていますか (●`3´)⊃|⊂フン 

タイトルほぼ迷走しております。

 後ろから現れたのは見知らぬ男性であった。

 しかしなぜか見たことがある。なんか誰かの面影があるというような。

 「こんにちは。いつも息子がお世話になっています。」

 「・・・息子?」

 するとユウユウは気づく。

 「もしかして、ドラゴンロードのお父さん。」

 櫻木もそのセリフを聞き驚く。

 あの子の父親。確かに似ているといえば似ている。ていうかそっち似だったのか。

 「実は現在息子は中学受験を控えていて、そのためあまりゲームの方を遠ざけていたのです。」

 「え。そうなの。」

 「はい。ドラゴンロードくん、じつは最終ログインが45日前なんですよ。」

 だいぶ前であったことは少々驚きではあるが、逆に櫻木はあまりそこらへんについては全く知らなかった。

 「確かに義務教育って小学生までって感じだからな。」

 しかし二人の反応はあまり芳しくなかった。というか空気をぶち壊したと櫻木は同時に感じ取る。

 「ではわたしはこれで。」

 「ああそっか。もうすぐ時間ですから僕も。では。」

 多分二人ともいられなくなったんだろうな。

 するとジェームズは近づき、「《自分もってるんですね。①》」と皮肉まじりに言われた。

 「というより、誰?」

 櫻木もうすうす気づいていた。ジェームズの人格がつぎつぎに変わってきていることを。

 「というか分かってはるんですな。てっきり気づいとらんかと。」

 クスっと笑う彼女はどこか上品さがありながらも、かなり毒をはく人間であった。まるでなんというか、薔薇にしては高尚過ぎるな。

 どちらかといえばウツボカズラ。

 「誰がウツボカズラだ。」

 ジェームズは怒る。

 「俺何も言ってないけど。」

 「あたしは思考がよめるんどす。」

 「いや、正確には俺が仙人の技術を使ってこいつが解析してる感じだ。」

 「まあ先に彼らについて話さないといけないね。君は多分あったことあるよ。」

 「お前のような奴は初めて見たな。いや、多分二回目か。」

 「まあでもえらい慧眼ですな。あたしワカランと思ってたわ。」

 入れ替わるな入れ替わるな。正直どっちがどっちか分からない。

 「・・・コンナカンジ。」

 「本体に戻った。・・・というかいったん説明を求む。あのはじめの、赤いやつ。」

 「・・・ドレ。」

 「グルードを持ってきたやつ。」

 ジェームズは龍笛に中身を入れ変わる。

 「いやあ混乱させて済まない。実はかくかくしかじかで。」

 「そうか。・・・ごめんなにもワカラン。」

 「まあこれは私の目標だからね。君は旧楽の仙人について知らないと思うから説明したいけれど、あいにく今は説明しにくいんだよね。」

 「説明しにくい?どういうことだ。」

 「多分今にわかるよ。」

 そこからくる二人の姿。櫻木はその姿を見た。

 しかしその姿はあまりにも驚愕だった。

 スーツを着た一名が逆立ちをしながら足で少年を支えながら進んでいる。

 少女の風貌の彼女はヘッドホンで音を聞きながらDJのようにサンプラーを操るような動きをする。

 エアサンプラーというべきだ。口で音を鳴らしているがボイスパーカッションができていない。

 「なるほど。・・・いったん理解に時間をかけてもいいか。」

 「かけなくてもいいよww。とりま説明した方がよきかな(汗)」

 なんだろう。ずっと発言が不安定で支離滅裂でもある。なんだこのてきとうさ。

 すると逆立ちをしている黒スーツがいきなりその状態で腕立て伏せを行う。

 カオスな展開が指導する中ジェームズはずっと冷静であった。

 「三味線。そいつはなんだ。君の眷属なのか。」

 「半分正解だ。眷属といってもいいが血を与えた覚えはない。とはいえ奴隷でも私のことを信頼しているとのこと(多分)。だから信者って呼ぶべきだと思うんだ。てへぺろ。」

 やつは決め顔でそういった。

 「すみません三味線様。腕立てを終えたので正常な位置に戻してもいいでしょうか。私の現在の状態はタロットカードでいうところのハングドマンのような感じです。ですので逆位置に戻してください。」

 ハンマーは逆立ちのまま話す。見知らぬ存在は嫌な顔をしながら考えたがすぐにOKを出した。

 三味線は地面に落ち、ハンマーは逆立ちを止め、立った。曲がったネクタイを矯正し、髪をオールバックにする。目薬を差した後、目つきの悪いかおで櫻木を見る。

 三味線もジェームズの方を向いていたが、ハンマーと同様櫻木を見る。

 「なるほど。見たことがあります。どうりでマガジンとグリップが気に入るわけです。」

 「おい待て。お前もしかして。」 

 「お初にお目にかかります、わたくしガンズの一人、災害援促進を担当しております。名はハンマー、以後お見知りおきを。」

 深々と一礼をする彼。だが三味線という存在は彼を見た時、笑った。

 「見たことある。・・・崇拝なき神。いや、少し違うのか。」

 崇拝なき神。どういうことだ。

 「龍笛。鼓。琴。琵琶。尺八。和太鼓。君たちも感じ取っただろう。あれは混じりものだよ。」

 ジェームズは納得できなかった。なぜなら三味線の発言自体がひどく曖昧であり、あいつの目にはなにが映るのか到底理解できないからだ。

 それに混じりものというのも気になる。まるで何かが眠っているという感じだ。

 本人にも自覚していない強烈な何か。ただ私たちはそれを理解してしまった。

 「じゃあまた後でね。」

 笑顔を作り、彼ら二人はこの場を後にする。

 そして二人も時間を確認したところ集合時間まで残り5分となっており、会場へと向かった。

 

 

①空気読めないね


裏話

ガンズは大体10名ぐらいのメンバーで構成されており、彼らは戦争を娯楽のように楽しむ傭兵である。

役割が複数存在し、災害促進・偽情報共有・遺物管理・死別代行・代替証人・堕落調停・停滞放棄・開発頓挫・占領広告・絶命探査といったものが存在する。なおたまに二つの役割を持つ者もいる。


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