優勝奪われた!!!!! ( ˙o˙ )オウッ
次回番外編
今回の番外編は次回につながる感じのやつです。多分短め。
櫻木はハンドガンを前方に投げる。
ハンドガンで注意を引き、そこからアクセルロードに近づく。
しかしその小細工はアクセルロードには通じない。
「それはなめているのか。」
顔正面に蹴りが入り、櫻木はとっさにガードしたが追撃を許す。
残り体力が1となり、一気に形勢が逆転する。
しかしカカシ12はすでに近づいていた。
だがそれはアクセルロードも分かっている。
くそ。もうここしかない。チャンスを逃すな。
櫻木もそれに呼応するように向かう。
あと一歩。・・・今
獅同喧嘩 衆襲
4足歩行となり食らいつくようにアクセルロードの腕を破壊する。
だがその破壊行為に、ダメージは生じていない。
アクセルロードは【フロストローク】状態で腕は使えないものへと変わった。金属が完全に冷やされたことによりもろくなっている。それを加味して彼はすでに腕を破壊していた。
もともと破壊された腕をただくっつけていただけなのである。そのため腕はアクセルロードではなく、全く違うオブジェクトとして判断された。
カカシ12は櫻木と挟み込むように着地し、もう一つの武器の準備を始める。
その時アクセルロードは輝きだす。
閃光の急襲。フレイムアウト、フロストロークの二つの形態を経て二人はその存在を忘れていた。
でも問題ない。カマボコさんとは距離が離れていたし、ヘイトはこっちに来る。
ならこっちも奥の手があるというものだ。
閃光の光に慣れ、視界が元に戻る。
な・・。嘘だろ。
アクセルロードはこちらに背中を向けていた。
こいつ。こっちには眼中がないってか。
ならこっちからやってやるよ。
カカシ12の右腕にパイルバンカーが装備される。
打ち込んでやるよ。
「違う。それは俺の視界だ。」
櫻木はカカシ12に伝える。
この時アクセルロードの奥にいる人物を目撃する。
それは、パイルバンカーを装備したカカシ12の姿であった。
初めに蹴りが入る。
それが直撃し、カカシ12は急いでカードを手に取る。
それは、死の運命であった。
死の運命は、自身のHPを0にし直撃した相手をも道連れにするという占い師の持つ自爆技である。
唯一の欠点としてプレイヤーの攻撃が直接当たった場合である。銃といった遠距離では相手を道連れにすることはできない。
そう、問題はまさしくそれであった。
だが現在アクセルロードが遠距離手段を持ってはいない。
視点が元に戻り、前方にアクセルロードの姿を見る。
奴は腕を使い、拳を飛ばす。
行くぞ。死の運命。
もう近距離であることは確定していた。しかし予想外のことが起こる。
腕が伸びきった瞬間、腕が壊れていき部品が散弾銃のように飛んできた。
前代未聞のパーツショットを彼は行う。
さようなら。カカシよ。
アクセルロードは両腕を失う。だがその攻撃はカカシ12の敬意とともに飛んでいく。
「まだ終わってねえよ。」
まだ死の運命は発動してない。まわれ。回れ。周れ。廻れ。
カカシ12は星読み機器を反転させた。
死の運命は反転し、再生の運命へと変わる。
すると直撃したパーツはカカシ12に突き刺さるどころか、カカシ12の手前に集まり元に戻っていく。
まさか。今のを回避したのか。
アクセルロードは驚く。人間のように驚いたのだ。
「後は頼みました。」
後ろから櫻木が近づいてくる。
槍を装備し、突き刺しに行く。
だがその槍を踏み、攻撃を防ぐ。
「お前たちは学習しないのか。それが効かないとわかっているだろ。」
「お前。怒ってんのか。驚いたりもしたな。まるで、人間だ。」
ああ。そうだ。
「強欲だな。」
櫻木は笑いながらアクセルロードの顔を見る。
お前は何を言って。
「でもお前は新しいものを突き詰めて、探求して、自身が真新しいものへと進化したと思っている。だがそれは機械の進化だろ。人間の進化じゃない。」
「お前は今何をやっている。どうしてそのような無意味なことを。」
「単なる時間稼ぎ。」
アクセルロードはカカシ12の方へと目を向ける。
確実に破壊する。その勢いのまま作り上げられた最大ためのパイルバンカー。
ニトロパイルバンカー。それは気流を集め、青い光と熱を放っている。
「準備完了。」
アクセルロードは優先度を変える。
今すぐこいつを。
だがもう遅かった。
「機械も機械であれだが、嘘を見抜く力は持っておけよ。」
・・・・そうか。今回はこちらの負けだ。
パイルバンカーはアクセルロードの中心に風穴を空ける。
その一撃により、パイルバンカーは粉々に砕け散った。
しかしそこにはアクセルロードでも、人工知能でもない。
ただ何もない。存在しなかったような感覚であった。
まさか、逃げた。くそ、どういうことだ。
今回は本体だった。なのになぜ。
[ボスバトル アクセルロード カマボコ カカシ12WIN]
[特別報酬 カカシ12は特別報酬としてレジェンドスキル ニトロクリオを獲得。あと少しでホームに転送します。]
櫻木は耐え息をつく。
今回は人工知能を倒すまたは仲間にするつもりだったが、やはり用意周到だったな。
「あのー。カマボコさん。」
カカシ12が近づいてくる。
「あなたはなぜオブリズムを追っていたんだ。」
その質問に櫻木は返事を濁した。あまり関りを持ってほしくないというのもあるが、実際には彼が一般人ではないことがばれているため、もう話す気もない。
そしてそのままずっと沈黙を貫いた。
ボスバトルが終了し、ゲームを閉じて櫻木は現実に戻る。
「ようさく。どうだ、何かあったか。」
マインドが気さくそうに話してくるが、櫻木はため息をついた。
「どうもこうも。結局逃げられた。多分下手したらまたかみついてきそうだ。」
「なるほどな。確かにそれは厄介だな。でもどうすんだ。」
「まあでも削りに削った。多分騒動が収まるまでは襲わないはずだ。」
櫻木の冷静は考えにマインドは舌打ちをする。
「あー。なんか面白みがないんだよな。どうせなら死刑にでもなれよ。」
「おーさでぃすとワレイ。Fuck you」
聞いたことのない暴言が飛んできた。
ん。そういえばダンガンは今何してるんだ。
カカシ12の姿とダンガンが重なり、彼のことを思い出した。
「なあそういえばダンガンって。」
「ああ。残念なことに、あいつとは連絡がない。というより、行方不明だ。」
マインドはそう告げる。
櫻木の賞金首の下で、大きな歯車はもうすでに稼働していた。
ふう。ここならいいだろう。
小さいサーバーではあるが、それでも身を隠すにはもってこいのものだ。
さて。手始めに適当な端末でも作り上げるか。
量子形成人工知能2は手を伸ばす。
しかし何も起こらない。
なぜだ。何がどうなっている。
それにこの空間はなんだ。電子でもプログラムでもない。まるで違う。
おかしい。確かに私は逃げた。だがどこに逃げたのだ。
それが思い出せずにいる。思い出せずここにいる。
すると彼の目の前にある一つのカカシがぽつんと立っていた。
そのカカシは腕を変形させている。
だがその腕は見覚えのある腕であった。
あれは・・・私の。
彼は腕を確認すると、それは腕ではなく一つの樹の棒であった。
さらにもう片方の腕も変形する。さらにこんどは足、腹、胸とだんだんと変わっていく。
カカシの姿が変わるにつれ、彼の姿はカカシになっていく。
まずい。こちらのすべてが奪われていく。姿も、能力も、存在も、記憶も。
やがて頭部は変わっていく。変わり移るとき、どんどんと消えていく。
何もかも消えていってしまうのだ。
「私は・・・・・だ・・・れ?????」
プログラム:ゴーストナンバー2はアンインストールされました。
プログラム:ゴーストナンバー2のデータをインストールします。
ある人物はパソコンの画面を見てこういう。
「面白いものを拾った。まさかとんでもない平気だったとは。」
「それは良かったな。」
「ああ。確かにな隼人。」
カカシ12は笑いながらそういう。
「それと、本当にこんなことするのか。無意味とまではいわないが、場合によってはお前死ぬぞ。」
「大丈夫だって。俺はあくまでお前の先輩を殺すこととかはない。あと少しなんだ。あと少しで、初代夜行を手に入れることができる。」
「だからってこのプログラムに参加するのか。」
「ああ。そこにいる人物を俺は欲しているからな。そのために、お前の先輩を賞金首にしたんだぜ。」
カカシ12は笑う。
「そうか。俺は別室に行くからな。」
ハヤブサはこの場を去った。
カカシ12。本名鹿津凪
Φの弟子のひとりであり、殺した相手のすべてを奪う能力。害悪特権を持つ。
メモ
今回の章のタイトルすべてボカロ曲をモチーフにしています
ガンフラ豆知識
死の運命、再生の運命について
占い師の持つ死の運命は、発動中直撃した瞬間に効果を発揮する。自身のHPを0にし直撃した相手をも道連れにするという占い師の持つ自爆技である。
一方再生の運命は直撃した瞬間に、自身のダメージを無効化し、その後直撃した武器もしくは物質の耐久値を最大まで回復させる。
アクセルロードの腕の破片が当たることにより、腕は元に戻った。しかしHPに対しては効果を発揮しないため要注意である。




