✕すきっないで✕ ( ・∇・)?
はい。今年初更新です。
ではまた次回。
「獅同喧嘩ってなに。」
櫻木の疑問に二人は答えず、なぜか戦闘態勢に入っている。
「おーい。ちょと聞いて」
すると二人の拳が激しく打ち合う。
そして拳を中心に爆発が引き起こされる。
爆ぜて生じる黒煙の中、二人は殴り合っていた。
カカシ12はアクセルロードの関節部位を中心に殴り、攻撃の軌道を変えていく。
アクセルロードの攻撃はカカシ12の体に被弾するが、それでもカカシ12の攻撃は止まない。
スキルである帝王の運命により、ダメージカットが発生するためノーガード戦法を取っている。
だが一番は獅同喧嘩による威力増大と削減を交互に操っているということか。
獅子丘加重が考案した戦闘術。基本ガードを行わない。いや、直撃した瞬間に体全体でガードしている。フックや回し蹴りによる横攻撃に向かうように体を向け、前へと押し出している。
とはいえそれはそれで隙は大きいが。
アクセルロードはカカシ12の腕を下から押し、拳の軌道を大きく変える。
そこから指を揃え、彼の腹部に軽く当てる。
中国拳法の寸勁が放たれる。
カカシ12はその一撃をくらい、膝をつく。しかしそれがアクセルロードの隙を発生させた。
煙の中、アクセルロードはこの場にいることが最もやってはいけないことであると後に知る。
彼らの視界は煙によって防がれている。
だからこそ、櫻木から放たれる剣が胸部を貫いた。
一瞬のリアクションによる硬直、その瞬間が彼の狩場だ。
櫻木は剣を手に離し、そのまあ足に軽く攻撃し体勢を崩す。アクセルロードの足はタイヤであり、操作は彼自身の意志によって決定する。
しかしコンピュータの無意識。コマンドの切り替えの刹那である今、両足のタイヤはスリップしアクセルロードの体は後ろへと倒れていく。
そして、櫻木は両手を合わせ組むことで大きな拳を作り、剣の持ち手に強烈な衝撃を与える。
金づちで釘を打つように、剣は深々とアクセルロードに突き刺さる。
あと少し。
するとアクセルロードは指を鳴らす。
発した火花から中心に爆発が起こる。
「やはり自爆は美しいものだ。」
アクセルロードは剣を引き抜き、捨てる。剣は形が崩れていく。
致命的な一撃をもらった。それに活動時間もかなり迫っている。
アクセルロード【フレイムアウト】では火炎、爆発による耐性を持っている。そのため自爆という手段も持っている。
しかしアクセルロード【フレイムアウト】は体を燃焼させるため、体力は削られていく。そのため持久戦ではかなりの痛手を持つ。
「だがそれでも耐えているんだろ。・・素敵だぁ。」
煙の中から二人が現れる。
どうやらあいつは一瞬でカードを守護者に変えた。
それによってダメージは分散し、なんとか生きている状況だ。
「どんどんどんどんキャラ崩壊していっているがいいのか。」
というかなんか聞いたことあるフレーズになっている。火炎放射器使うキャラクターに近しくなってないか。
だがカカシ12の様子がおかしい。明らかに何かが。
するとカカシ12はすぐに走り出し、アクセルロードに向かっていった。
「おい。そんなに早まっても。」
櫻木の聞く耳を持たず、カカシ12は突っ込んでいく。
しかしその攻撃もあしらわれ、アクセルロードの攻撃が炸裂する。
カウンターが効き、カカシ12の動きもがたついてくる。
「やはり貴様は弱い。」
アクセルロードは爆ぜる拳をカカシ12の腹に一発決める。爆発を一極集中した衝撃は彼を後ろに遠ざける。
しかしアクセルロードの攻撃は止まらない。まだまだ奴は動き続ける。
だがアクセルロードはもうカカシ12に目を向けていない。櫻木の視界を覗きながら警戒をしている。
「うらあ」
カカシ12は反撃をするが、アクセルロードは片手ではじく。
無駄だ。すべて無駄だ。
どのみちもう倒れる。
アクセルロードは動きを止め、拳に力をこめる。
それにカカシ12は反応し、足を動かし距離を離すように蹴り上げる。
しかしアクセルロードはその姿勢のまま後ろに少し動く。
足のタイヤを回転させ、音もなくスムーズに動く。
そしてアクセルロードの拳が放たれる。
今だ。
牙代
カカシ12はアクセルロードの拳の一撃を片手で受け止め、そのまま持ち上げ地面に叩きつけた。
アクセルロードは何が起こったかわからない。
どういうことだ。まさか今までのはすべてブラフ。いや、準備期間か。
櫻木は近づいてくるが、アクセルロードはそれに対し自身の指を折り取り外す。
そしてそれを飛び道具として櫻木に投げる。
櫻木はトランプを使い指を弾いたが、その指は爆発する。
こいつ、俺の体力見て広範囲攻撃を選択したか。
アクセルロードは足を回転させ、勢いよくタイヤを動かす。
カカシ12の手はアクセルロードから離れ、アクセルロードはカカシ12を敵視した。
今までの暴れっぷりは獅同喧嘩の土台を形成するための行動か。
あまり見ない。いや、データ上あのように自信を危険な状態まで追い込むものもわずかにいた。
「スタミナ切れ。それが君の、獅同喧嘩を行使する条件か。」
アクセルロードは笑う。
ああ。本当に、楽しいものだ。
彼はどんどんと人間へと変わりゆく。だからもう、これ以上の悪あがきは意味を成さない。
人間が機械に勝る唯一の点は
邪な行動を軽率に扱うことだ。




