リバーシブル6 (。A 。)
なんやかんや更新がかなり遅れました。もう11月中旬です。なるべく更新速めれるように頑張ります。
櫻木とファン(仮)はオブリズム、別名鈴浦と呼ばれる人物の後を追っていた。
そしてそこに広がったのは廃棄処理場の空間であった。
確か俺はボスバトルの空間に入ってんだよな。あの薔薇以降の戦いだったけれど、そういえばボスバトルってどんなシステムだったっけ。
ここで、ボスバトルのシステムについて説明しよう。
ボスバトルは最大20人で戦うことができるモード。プレイヤーの一人はボスエネミーとなり、ほかはヒーローとしてそのボスを討伐することが目的。
リスポーンは存在せず、制限時間以内に倒さなければいけない。これがヒーローサイドの勝利条件。
対するボスエネミーはヒーロープレイヤーの全滅。もしくは制限時間が終了するまでの生存。
そしてそのうちどちらかが勝利条件をクリアすれば、限定スキンやオリジナル武器をもらえる。
また、何かしらの隠し条件を達成すれば、スペシャルスキルを獲得することが可能。
そのためスペシャルスキル(薔薇の伯爵以外)を所持するプレイヤーはかなり珍しい。
「よくここまで来たな。それで、何をしにここまで来た。追ってきたというのは分かってはいたが、その理由は分からないのだ。」
「カマボコさん。あの人は知り合いなのですか。」
「知り合いというか、最近あったから知り合いでもないというか。」
まずいな。ここまで追っかけてくるとは思わなかった。相手は人ではない。人工知能。それもはるかに優れた存在。
「まあいいか。さあ戦おう。」
鈴浦の周りに金属部品が大量に集まってくる。
どういうことだ。いや、これ演出か。
[それでは、ボスバトル。アクセルロード戦。開始します]
音声が流れると同時に、金属の爪が櫻木の首元まで飛んできた。
櫻木はすぐさま避け、武器を構え後ろへと下がる。
なにがあった。
正面にいるのは、タイヤの足に、エンジンやマフラーが付いた体。そして赤いフレームに成人男性以上の大きな金属の手。
細身でありながらも、そこには赤きロボットが立っていた。
手首が360°回転し、指を動かす。
くそ、よりにもよってロボかよ。
しかも機動力に極ぶった感じか。いや、機動力が起点にすべての項目が増している感じだ。あの初撃、反射的によけたのは正解だったか。受け止めたら即刻ゲームオーバーだ。
櫻木はこの時気づく。
完全にこいつは対策してきたと。
櫻木はあくまで最強という名を持つが、そんな彼でも弱点は存在する。
それは同一系の戦闘スタイルを持った存在だ。
櫻木は速い戦いを専売特許としている。自身を速くすることで、相手のリズムを一方的に崩し、自身のステージに強引に持ち込む。先行を取るという表現もあってはいるが、そこからの流れを一方的につかむことが櫻木の戦闘にとってかなり重大視された項目だ。
つまり櫻木の速さを超える。一歩でも素早い存在がいると、今後は櫻木が不利になることがある。
相手のリズムに合わせなければならない。後手に回されるのはすべての戦いにとって不利な状況を続かせるものだ。
それが、今までの櫻木の戦闘スタイルである。
だからこそ、あの時も都度都度調整しようかと思って、練習したんだよな。
自身の速さを変えない。瞬発力や反射速度を大幅に上げる特訓。
こっちも新しいフォームに移行する。
するとファン(意外)がシャベルでアクセルロードに攻撃を仕掛けた。
金属爪でその攻撃は防がれたが、その瞬間を櫻木は見逃さない。
アクセルロードの露見された金属部分に銃弾を何発も当てる。
だがその攻撃を受けても、無反応であった。
やっぱハンドガンじゃ一撃一撃の火力は弱い。ほんと、最悪だよ。
いくら装甲がないとはいえ、効かなかったら意味はないな。
櫻木はトランプをコインに変えていく。
「おい鈴浦。そんな奴じゃなく、俺を狙って来いよ。はじめっからそのつもりだろ。」
櫻木は中指を立ててアクセルロードを挑発する。
しかしアクセルロードは、櫻木以外に攻撃を仕掛ける。
「どわ。危ないですって。」
彼はシャベルを使いアクセルロードの爪攻撃を弾く。
くそ。来ないなら攻めるしか。
櫻木はアクセルロードの元へと向かう。
しかしアクセルロードは空いた腕を180度回転させ、下からあごに向かって、爪が飛んでくる。
櫻木はかかとで急ブレーキを行うと同時に飛び跳ね、攻撃を回避。
そして空中でアクセルロードの腕に足を絡ませた。
関節ごと破壊してやるよ。
腕に手をかけた次の瞬間、アクセルロードのタイヤが回転する。
「させないですよ。」
ファン(多分)がシャベルを使いアクセルロードの足を狙う。
だがやつはそれを見透かしているかのように、少し跳びシャベルの上に乗る。
そしてそこから腰部分を高速に回転させ、上半身をコマのようにし、櫻木を武器のようにぶつけてくる。
櫻木は隠し持ったコインを指ではじき、アクセルロードの腰に当てる。
小さな爆発衝撃により回転は止み、櫻木は勢いよく飛んでいく。
スキルJ,Q,K
櫻木は剣を召喚させ、地面に突き刺し体の勢いをやわらげた。
それは、薔薇の伯爵戦でマインドが見せた刀でのブレーキ方法と似たようなやり方である。
あぶな。もし盾だったら最悪死んでたぞ。
するともう一人のプレイヤーも飛んでくる。
運よく足で着地し、摩擦で速度を落としていく。
「あぶな。今一瞬走馬灯が見えた。」
「そこまでか。」
というか、明らかにさっきの攻撃、間に合ってなかっただろ。
「まさかチーター。」
「なんかいやな評価されたんですけど。いえ、むしろあれは反射的に発動しただけです。」
そう言うと彼は金属でできたカードケースに一枚のカードを出した。
そのカードには[GUARDIAN]と書かれていた。
そしてそのカードを一枚引き抜き、また新しいカードを今度は出現させた。
そのカードは[RESISTANCE]と書かれている。
ああそうか。マジでやってないときに増えたやつか。
プレイヤー名 カカシ12
職業 占い師
ガンフラ豆知識
アクセルロードについて
アクセルロードはサービス開始時からボスバトルに存在するボス。
全身が機会となっており、ベースは人。というよりサイボーグに近い。
しかし関節部分の可動域は360°対応しており、人間離れの攻撃も行うことができる。
ちなみにアクセルロードはさらなる強みが存在する。




