オンライン/コロニー ( / ・w・)/
次回、ミリスパ3章終わります。
3章が終わったら番外編入れずにガンフラの新章に移行する予定です。
ちなみに、2度目のボスバトルと新キャラ登場。
鈴浦は人ではない。櫻木の姿に変わった彼ではあるが、機械である彼の能力はBPとの戦いですでに使われていた。
視野の共有。
近年のカメラ普及。それによる画面共有の登場。すでに当たり前のものだが、鈴浦はここに来た瞬間に全プレイヤーの視界を盗用。出力される視界は鈴浦の視界と、櫻木の視界。
「だがいい方法だったな。サブマシンガンからマグナムへの変更。相手の読みを一気に覆すその方法。敵ながらあっぱれだ。だけど、それが通じる相手ではないがな。」
まじかよ。でも閃光はくらってる。
あれを避けたのはあいつが俺自身であるといっていたからか。でもそれはどっちなんだ。
俺の思考を読み取ることができるのか。反対に、俺の情報が向こうに共有されているのか。
とりあえず前者で考えてみるか。
何も考えずに、無思考に。沈むように。
櫻木は武器を捨てた。
しかし鈴浦には見えていない。
視界から外れたところで櫻木は武器を捨てたのだ。
そして彼はまっすぐ突っ込んできた。
先ほどまで銃撃を警戒した鈴浦は向かってくる櫻木の姿勢に感ずる。
今彼、武器を捨てたのか。
だが気づくには遅かった。
鈴浦が相殺するように拳を振るうが、櫻木の蹴りは鈴浦の腹に直に入る。
狙った位置は一瞬で把握したが、それでも間に合わない。
鈴浦は強烈な一撃に膝をつく。
櫻木は止まらない。そのまま軸足を固定し、かかと落としに切り替える。
だが鈴浦は櫻木の振りかぶる足にめがけて隠し持ったナイフを刺す。
ナイフは深く突き刺さるが、止まらない。
そのまま足は振り落とされる。鈴浦の片腕は異様な曲がり方をした。
もう彼の腕は使えない。
鈴浦はそのまま下がるが、櫻木はその瞬間を待っていた。
相手が下がった瞬間、最も得意な間合いを櫻木は築いた。
過去に行った、秒針と呼ばれた所以の距離。
当然武器は持っていない。ただ一歩踏み出し、大きく振りまわるように蹴る。
しかしそれを発動させるのは櫻木ではない。
鈴浦は関節がねじ曲がり伸びきった腕を鞭のようにしならせ、櫻木の横腹に当てる。
カウンターかよ。
当然櫻木も同様に攻撃を仕掛けたため、防御は解いていた。
だがここでは間合いの距離が長いほど先手がとれる状況。
鈴浦は腕の破壊を考慮し、この技につなげた。
櫻木は回転し、威力を抑えたがそれでも大ダメージには変わりない。
くそ、やっぱ無理か。
黒色化は無理だ。もし仮に成功しても地雷プレイにしかなりえない。
黒色化は、誰でもできるわけではない。
自分自身をそこに沈める非道の精神。
だがそれははっきり言って人によるもの。才能に近しいものである。
ハヤブサやマイン、そして黄昏や曙といった黒色化に一瞬で成り、そして回帰することができるものもいれば、櫻木や或時といった黒色化になるが、うまく沈まない場合や、沈みすぎて回帰することが不可能になってしまう者もいる。
事実櫻木や或時は昔黒色化に入ることができたが、そこから戻ることができず、黒色化状態の間は記憶が曖昧になることがあった。
はっきり言って向き不向きが存在するのだ。
でも分かった。あいつ俺の思考は読めなかったな。いや、行動を読めていなかったか。
思考はともかく行動さえコピーされてたら、あの初撃は回避できた。
じゃあ次はできるか。
・・・・無理じゃね。
「諦めたらどうだ。今立ってるのも限界だろ。それに、視界も回復してきた。」
鈴浦の視界も戻ってきている。
まあ今武器はないからな。お互いに。
鈴浦はライフルを構えて飛ばしてきた。
あっれ。
ああ持ってましたねそうでしたね。
櫻木はよけながら武器を調達していく。
これはいるな。なるべく近距離のほうがいい。
でもこれ使ってみるのもいいな。くそ武器だけど。
櫻木はグレネードを投げ、ライフルの銃弾に当てる。
爆風と煙で両者の視界は防がれる。
先ほどまで拾ったものは、ハンドガン、信号拳銃、投擲武器複数種、そしてソードオフショットガン。
すると煙の中から赤い煙が鈴浦に向かってくる。
なるほどな。だが視界が共有されているなら意味はないだろ。それは注意を引くこともできないが。
だがあいつの視界はまだ俺を見ようとしない。
すると銃声がここら一帯に鳴り響く。
鈴浦はその音に動揺した。
どういうことだ。あいつは位置を理解しているってことか。
いや、プログラムを書き換えるか。
鈴浦は櫻木の姿から、BPの姿へと切り替える。
そして、理解した。あれは空砲だ。陸上競技で使われるスターターが持つ音だけの銃。もしくは鳥よけの。
だがそれでも櫻木の視界はこちらをとらえていない。
いや、違う。とらえなくてもいい。あいつはすでに近づいている。
「追いかけられたからか、自分の居場所を悟らせることに気づかないなんてな。」
櫻木は鈴浦に近づいている。
下を見ながら近づいている。
一瞬目を離せば、いや隠密行動に優れていたのかどうかはまだ分からないが、地面しか見えない画面に油断していた。背景がなければ視界を共有されていても、位置は把握できない。
櫻木は鈴浦を見てすでに抜かれたスモークを周りに置く。
鈴浦の周りは煙に覆われる。
くそ。見えない。だが下手に動くよりはまだ。ここで向かえ打つ。
すると信号弾が鈴浦の周りをかするように飛んでくる。
どういうことだ。あれだけ煙をまけば向こうも視界がわからないはずだ。広範囲にばらまかれたこの煙の中で。動いている可能性もあるのに。あいつは俺の場所を正確に撃ってきている。
視界が塞がれた状態。そして煙内での櫻木の攻撃。
鈴浦はそれでも演算をひたすら繰り返し、適応し、成長していく。
音を聞き、それで場所を判別した。
鈴浦はブックスに姿を変え、櫻木に向かう。
あの女が持つ警戒範囲はかなり独特ではあるけど、察知はできる。
両者煙の中発見する。
一騎打ち。近距離では彼の姿のほうが先手を取れる。
鈴浦はもう一度櫻木に姿を変え、片腕を引きちぎり、攻撃を行う。
さあ来るか。そのショットガンでどう来る。
だが櫻木はショットガンではなく、回路が刻まれたナイフで鈴浦を刺した。
両者の攻撃がヒットする。
しかし鈴浦はダメージを受けなかった。
そして櫻木は倒れた。
「・・・どういうことだ。いや、何かがおかしい。」
あれは、あれはまさか。
櫻木の消滅。そして鈴浦も失った。
彼が行動してきた数々のデータが、本体以外のクローンすべてのデータが全て失っていった。
あれはまさか、こいつははじめからこれをやるためだけに。
くそ。プレイヤーとしての機能は失っていない。だが今までの機能が取られた。クローンの形成。侵入能力。演算解析。そして視界の共有。いや、プレイヤーというデータの共有が使えないといったものか。
それに、その前の女も最悪なことをさせやがった。
こういった時のために作られた防御システムを、俺自身に破壊させた。
くそ。もうここから先俺は得るものがない。このサーバーの核は、さらなる進化に使われると考えたが、これ以上の無理は禁物だ。
ここから去るか。
鈴浦は侵入経路から逆算し、本体とのデータを共有する。自身のクローンデータを消滅させることをしたが、それは実行できなかった。
「勝ち逃げか。お前。」
そこに現れたのは、カボチャ頭の狂兵であった。
裏話メモ
実ははじめ櫻木がどんどんとガンフラ以外にも別のゲームをやっていくって話でいこうかと考えていましたが、まあカテゴリーやジャンルがめちゃくちゃ変わるので、ならそれに近いゲームをやるって感じでいいのかなって思い、現在こんな感じで続いているのです。
ちなみに初期考案ではガンフラの初めのバトルは櫻木対10人じゃなく、櫻木入れた10対10という構図を考えましたが、主人公のキャラをはじめにインパクトあるやつにしたいな。タイトル負けするよなと考えた結果、その9人のキャラは没にしました。実際大人数でやるとはじめ終わるまでにかなり時間がくうのと、それだったらストーリーちょっと早めに進んでいく感じにして新キャラ出したりしたらぐだらんよなって思いました。
あともともと薔薇の伯爵で終了って考えたんですけど、戦闘系でいろいろルール作るのが面白くて、完結するか、あっ新しいものおもいついた。じゃあこういったキャラ増やそう。こういった感じにいこう。と膨らんだ結果、こういったものができました。実際思いついたやつで、賞金首系とかフィールドが変わる系とか、人が変わる系とか、実はこういったものって結構展開が作りやすくて、書いてるときマジで面白いなーって思いました。
あと外伝作ってるときに、殺し屋でもこういった能力あったらいいなとか考えたら、外伝で作って、そこからまた派生してキャラに能力をプラスする感じにしました。
ちなみに黒色化は漫画やアニメである目が死んでるとか感情ないときとかの表現がかっこいいなって思って、それを作った気がします。そこから新しい派閥を作ったら、じゃあこいつらもそういった能力系があったらいいなって思って派生されたのが、電子化と十字化と仙人の目です。そしてその仙人から空羅魈が生まれ、そして生体エネルギーが出た感じです。




