今から200、いや1300年前の出来事だったな パチン(* '-^)
今回で、ガンフラ第6章完結です。
次回は番外編を挟んで、ミリスパに行こうと思います。
勝負は決した。表面上、いやシステム上では曙の勝ちとなったが、その水面下で行われた殺人劇は結果として数名の命を落とし、幕を閉じた。
櫻木は立ち上がり、曙に手を差し伸べる。
曙は櫻木の手を掴み、立ち上がった。
「正直に話すと、もうこのナイフはあの時から既に効果を失っていた。」
曙は殺人干渉のナイフを手に持ち、櫻木に見せる。
「既にリフレクトが作ったシステムは停止されている。あの時このナイフは使用できると考えてはいたが、結局は意味の無いものだと確信したよ。」
曙はナイフを捨てた。
「システムの停止?誰がそんなことを。」
「空・・いや、変な人が。」
曙は言葉を濁す。空羅魈という名前を、彼は口に出さなかった。
「いや今空って。」
「言ってないです。断じて。」
視線つっよ。目力やば。
威圧的な眼光に櫻木は無理に聞くのを止める。
「まあとはいえ、結果的にどうなんでしょう。ゲームでは勝ちましたが、本来の目的とは異なる。ターゲットは生きていて、ここから倒す手段も見つからない。」
「素直に負けを認めたら、まあでも戦闘では負けているのか。」
でも或時と同様に、勝敗で色々言われていたらどうだったか。
まあ考えるのはやめよう。そこまでしても意味は無い。
「ところで、ここからどうするんだ。また戦うか。敗者が言うのもなんだが。」
「いえ、もう結構です。多分次勝てるかどうかは分かりませんから。」
謙虚だねー。何故か後光が見えるのよ。仏かよ。
「それに、初めから敵対するつもりは無いです。僕は一応あのハッカーの雇われの身ですから。まああの人も気まぐれなんでね。正直二度おなじことを起こす気は無いでしょう。」
そろそろマップが終了する時間とアナウンスが流れる。
「じゃあこれで。」
「おう。もしまた会う時は、味方であってくれ。」
「伝えておきます。あと一つだけ。」
「何?」
「そのモデルは好んでやっている」
「断じて違う。」
櫻木は即座に返答した。
そして2人はフリーバトルルームに戻る。
「まあだろうね。」
そう。部屋に戻ってもどの道2人は再会した。
「知ってましたな。」
「知ってやした。」
ヘラヘラとした表情で櫻木は返す。
「はは。君は結局のところ会いもしなかったが、私は一矢報いたかったよ。邪眼を使う私の目には、君の情報は筒抜けであることを。」
「とはいえ此度初めて我は君に負けき。されどさりとて我は我が覇道を進む。今度はミリスパに再度戦はむ。さ戦はむ。」
両脇からキャラカロリー多めの奴らが来る。リフレクトとニチリンだ。
そして2人は出会った。
「おや、君は私を倒した弓矢使い。しかしたまげたな。私の魔法を見破るとは。だがそれでも所詮第三階級魔法のひとつに過ぎない。私のさらなる力の前では貴様は塵と化すだろう。」
「・・・・君は誰なり。」
流石の俺でも分かった。アメイリさん、人の名前覚えるの苦手なんだっけ。とはいえ倒した相手に「お前誰」と言えるメンタルよ。
※櫻木もそうです。
「ああそうそう。話は変わるが、君のパートナーは血相を変えてすぐさま消えたが、知り合いかい。」
リフレクトは櫻木に聞く。
パートナー?ああ、マインのことか。えっパートナーか、あの人。
「すぐに消えたからさ、結局会えずじまいなんだよ。私の持つ能力を少し与えれば、あの子の戦闘能力を飛躍的に上げれるがな。」
能力?
「かのあやしき現象のことか。同じ色を鏡越しのごとく見する幻術。」
ニチリンは櫻木に説明する。リフレクトの持つ電子化の能力。
「つまり、人類が持つ存在記憶の人物を、アカシックレコードに登録されていれば、それを100%模倣し、なおかつ上位の存在へと成し得る。はっきり言えば、我が眷属であるグレーターデーモンを、アークパラディンデーモンに進化するようなものさ。」
元々前情報でマインドからかなり曖昧なことを聞かれてはいたが、この2人が説明すると余計こんがらがる。
今の情報だと
マインド:同じ攻撃で反撃する能力
ニチリン:幻を見せる能力
リフレクト:バフ系統
判明しねえよ何もかも。
「やっと見つけた。探したぞ。」
後ろから空羅魈がニチリンの肩に手を置く。
「あな、ありきや。」
「いたよ。というか勝手に動くなよ。・・ってあれ、あんたらさっきの。もしかして偶然か。」
彼は初めて会うかのように接してきた。確かに1度だけ、というより10秒ほどの戦闘でしか会っていない。
でもそんなたった一瞬でも、敗北の2文字を突きつけた存在である。
「アメイリさん。この人は。」
「ああそうか。僕の名前は、白。よろしく。」
「空欄ってそういう事か。」
空羅魈は手を差し伸べ、櫻木はそれを応えるように握手をした。
【○■×※?▶⤴@】
「何か言ったか。」
「いや何も、じゃあ。帰るか。また会えば。」
空羅魈はニチリンを連れるようにこの場を去る。
「君のことはもう狙わない。倒せない相手に何度挑んだところで、意味もない。今回は邪魔が入ったが、それがなくても結局君を殺せるかと言われれば、難しい話だ。」
リフレクトは画面を開く。
すると櫻木からフレンド追加の通知が鳴る。
「もし何かあれば、ここに送ってこい。私はオフラインでも繋がるように、仕様を変えている。」
リフレクトはそう言うと、櫻木から去る。
曙もついて行くように、この場から去った。
とりあえず、一件落着か。
櫻木もこの場から去った。
ゲーム内で行われた殺人劇は、数名の犠牲を出し、終了した。
数日後
「師匠。お久しぶりです。」
応答はない。心拍数は一定ではあるが、それでも前回来た時よりも下がっている。
「僕。曙流秘技を全て解放させましたよ。これで、後継者問題は解決ですね。」
彼は笑顔で話す。
「ではまた。」
彼は花瓶の水を変え、また新しい花を花瓶に入れ、この部屋から去ろうとする。
「開花したか。」
すると後ろから声が聞こえた。
だが、その声の主は分からなかった。師匠は結局ベッドでいまだ起きていない。意識も回復していない。
幻聴か。
曙はこの場を去る。
やはり若いな。生体エネルギーをもうマスターしたか。生憎もう動くことは出来ないが、それでも一言だけ伝えれた。生体エネルギーを使った言語の伝達。そらはあまりにも神がかりなやり方。相手の脳に直接送り込んだもの。生体エネルギーで重要な知覚器官と感覚神経。それを扱えば、一言だけでも伝えれた。だが、もう遅いか。ああ、そろそろ消える。
曙龍は最後に何を思っていたのだろう。
ただそれは、彼にしか分からないものである。
彼の体は既に機能を失っていた。だが生体エネルギーを操作することで、体の器官をある程度動かしていた。だが生体エネルギーを長い時間扱えば、回復はせず、ただ消費するのみ。
結果的に彼の体は心拍数が0になったと同時に、体が砂のように崩れ落ちていった。
あの時僕は神楽の酷使で少しだけ後遺症が残っていた。
体の動きは遅くなり、聞きなれない音に何度か反応していた。
そして、僕はあの日言ったことを、忘れはしない。
「世界の真実を知る者はな、共通点がある。あいつらはただでは死なない。むしろ、生き返っている。魂が循環して、人にとりついて生きている。」
そして櫻木との握手の時にもこう言っていた。
「久しぶりだな。」
空羅魈。君にひとつ尋ねなければいけない。
櫻木。彼は何者なんだ。
・・
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・・・
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・ー・・
・ー・・
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完了。
只今から、ミリオンスパイラルにログインします
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遠隔操作調査 258日目 クローンNo15が、他のサーバーに接続完了。
本体とリンクし、動作共鳴を行います。
From 量子成型知能体2




