武人 冬解 ( )・∀・( )
そういえばブックマークが200を達成しておりました。
ありがとうございます。
最近までエルデンやっておりました。ちなみに序盤のツリーガードは倒しましたお。推奨レベルの半分で。
曙流は曙家が独自に開発した流派。
特に秘技を扱うものは限りなく少ない。少し前まで曙宗三も秘技を1部分しか扱うことは出来なかった。
そして今、彼はその全てを解放させた。
曙流秘技 神楽
それは、生体エネルギーを感知する技。
生体エネルギーは、空羅魈が言うに生命体が持つ動力源である。
実際東洋医学には気の流れというものがある。7世紀頃に日本からやってきた医学術であるが、その気の流れのことを、空羅魈は生体エネルギーと言っている。
生体エネルギーは体全体に行き渡っており、動作を行うと、動作部にエネルギーが集中する。
拳で殴るとき、腕や手に生体エネルギーが集まっていくのだ。
生体エネルギーの感知。その能力を拡張させる。
黒色化から刻まれる十字架が現れた瞬間、彼の世界は開かれた。
これが、これが今の僕なのか。
櫻木の攻撃を受け止めた彼は手をすぐ離し、辺りを見渡す。
空間に広がるのは緑色のエネルギー。そのエネルギーは櫻木から多く見られるが、周りの景色にも少し染まっていくように広がっている。
曙は手を少し揺らがせる。
手から漏れ出す緑色のエネルギーは曙の手を追うように流れる。
さっきの闇の中でもこれは流れていた。
そしてそれを注視し、その一点を防いだ時に、闇は晴れた。
今なら、勝てる。
曙は三節混を振り回し、櫻木に突っ込む。
三節混は回転を止め、振りかざされる。
櫻木は一歩後退しそこから反撃を行うが、曙は知っていたかのように片手で防ぐ。
そこから手の甲をひっくり返し、櫻木の手首を掴む。
そして櫻木の手首を握りつぶした。
おいまさか。十字架になってんじゃねえか。
櫻木は曙の瞳を見て気づくが、もう遅く、三節混は櫻木の腹にクリーンヒットする。
体が宙に浮く。着地のタイミングさえ取らせない。
しかし曙は膝をつく。
なんだ。目が熱い。頭痛が激しくなっていく。
曙の覚醒はまだ未完成である。なにせ彼の殺人領域には自身の殺しとしてのゾーンが存在しない。
彼が行ったのは日喰比がこの前行っていた、半覚醒である。
彼にはすでに殺人とまではいかないが、技としての領域は複数所持している。だがそれがまだ殺人のラインに達成していないだけである。
だが彼の経験と神楽がさらに高みへと向かうものとなった。
櫻木は着地し、つぶされた右手を見る。
明らかに回復不可能なほどの傷。それに腹もかなり来た。
なんだよこの威力。いきなり覚醒。いや多分アメイリさんと戦っているときに何かあったな。
じゃあどうする。片手が犠牲になったいま、どうやって勝つ。
するとステージから広く響くような音声が鳴る。
[制限時間が残り1分となりました。ただいまより、サドンデスに移行します。]
ゲーム内のアナウンスが鳴る。
霧がかった景色でも判断できるような赤一色の景色へと移り変わる。
すると両者の傷が一気に回復する。
サドンデス方式では、すべてのダメージが致命傷となる。そのためHPは変動しないが、傷といった損傷部位は回復するようになっている。
だがその損傷は外部もあれば、内部も回復する。
曙は神楽を開放し、十字架に変わる。
現在櫻木が勝つには、一撃を曙に入れる。先ほどの攻撃でHPは現在曙が上回っている。
だけど、この方法しかないな。
櫻木は曙から離れる。
その時曙は三節混を投げ、櫻木の進路を防ぐ。
そしてその軌道を追うように曙も走る。
櫻木は後ろを振り返り、三節混を蹴り上げる。
そこから曙が近づいてくることを予期し、つなげてかかと落としを行う。
曙は空中に浮いた三節混に目をやらず、そのままスライディングし、下を通過した。
曙はたとえ櫻木に一撃を入れなくとも勝てる状況。ここにきて正々堂々と戦くことを放棄し、勝つことに重きをおいた外法を行った。
そうだな。なら、これも知ってたのかよ。
くそ、頭が回らない。持って10秒か。
曙は殺人領域を解除する。彼の領域は神楽なしでの展開を行うことはできない。
すると櫻木は三節混を持ち、曙に攻撃する。
武器を複数使えると聞いていたが、ここまで厄介なこととなるとは。
だが曙も負けじと飛んでくる三節混を両手を使い、落としている。
さばき方も上手いな。
大体回復するまでどのくらいだろう。多分あと2回ぐらいが限界だな。
曙はもう一度殺人領域を展開させる。
その瞬間三節混の一撃を避け、手に取る。
そこから真ん中の棒を一蹴りで折る。
二つに分かれた三節混の片方を曙は手に取り、振りかざす。
櫻木は一歩後退するが、地面に到達せず、そこから引き上げる。
かの佐々木小次郎が使っていた、燕返しに似た挙動をし、櫻木に襲う。
だが櫻木はその一撃を避けずに足をそえ、そのまま勢いよく上へと飛んだ。
そして天井を三節混で破壊し、外に出る。
三節混は跡形もなく壊れていく。
わかっていた。だがよめなかった。
そもそもシーソーみたく使うなんて想像つかないだろ。
曙は階段を使い、屋上に来た。
残り20秒。ここを切り抜ければ勝ちだ。
曙が屋上に来た時、櫻木はクナイを持ち、曙を切る。
曙の頬にかすり傷ができるが、HPは減らない。
そして、曙は距離を取る。
さあ来い。残り15秒。ここで守れば、こちらの勝ちだ。
曙は領域を解除する。残り一回。ナイフはここで使わなければならない。
曙は櫻木に突っ込む。
もしここでナイフによる攻撃が櫻木に刺さらなければ、曙の敗北を意味する。そしてリフレクトがすでにいないこの状態。システムによる干渉は不可能となったため、残る術はこれしかないのだ。
その時曙は何を感じ取ったのだろう。
櫻木の意志。ここで殺すという意志が、彼にも通じてしまった。
こい。その一撃を弾く。櫻木。
櫻木はクナイを曙に投げる。まっすぐ飛んできたクナイ。
曙はクナイが飛んでくることはわかっていた。彼はそのまま避け、櫻木との距離を詰める。
カウントダウンはすでに始まっている。
だが曙の速度がだんだんと遅くなる。何かが来る。そういった警戒心が強まってしまう。
戦いにおいて強者は、ただ何も考えずに特攻できるバカではない。
相手をよく観察し、相手の弱点を見つけ、そこから自身に有利な状態へと変えていく。
だがもしその警戒心がほかの情報よりも上回った時、はたして強者はどうなるのか。
何も考えない。そういった思考のシフトチェンジを行う。
最後に一撃を入れる。それだけだ。
曙は神楽を発動させ、領域を開く。
だがその慎重さを元最強の殺し屋は見逃さない。
身体欠損の回復。もし片腕だけの状態なら、俺はこの武器を扱えなかった。
でもこれは単なるプレッシャーだったけど、まさかこうもはまるとは。
俺の持つ死線は、相手に殺意を強烈に浴びせることで相手の攻撃を止める技。そして逃避行は、相手に殺すという意志をおとりとして扱う技。
死線と逃避行の合わせ技。相手に殺意を浴びせ、警戒心を大幅に増幅させる威圧。
その時俺が次に行う一撃は、見えない。
もらった。
櫻木はマグナムの引き金を引いた。
曙は生体エネルギーで櫻木の動きを完全にとらえている。
だが、マグナムの発砲。思考の限定によって生まれた予想外の攻撃。
曙は弾丸を弾かせるが、すでに三節混の耐久値はないものに等しく、弾丸が当たった瞬間、三節混は粉々に砕ける。だがマグナムはそのまま通過していった。
弾丸は曙の額に接触する。
その時、弾丸は砕け散った。
両者ともに目の前に移る画面を見て、足の力が抜けた。
「はは。なんだ。結局間に合わなかったってわけか。」
櫻木にはLOSE。曙にはWINと表示されていた。
ガンフラ豆知識
サドンデスについて
各バトルには制限時間が設けられており、残り時間が一分を切ると、サドンデスに移行する。
そしてサドンデスとなった場合、損傷部位を完治させる。この時部位以外にも能疲労といったものも回復させる。
ただHPはもとの値のままであり、もし制限時間を迎え、終了した場合はHPで勝敗が決まる。
損傷部位の回復を設定として入れた理由は、逆転が起こるようにといった形です。




