ブレーメンの襲撃 ε”ε”ε”(ง •︠ˍ•︡ )วタタタタッ
戦闘の一部分に五日ほど時間を費やすというね
殺し屋には志望型と推薦型の2つが存在する。
志望型は文字通り殺し屋へとなる試験を合格すれば晴れて殺し屋としての職に就くことが出来、事務所に所属することが出来る。例外としてフリーの場合は事務所での依頼達成度やランクの上限によってなることが可能。
一方推薦型はアルマゲドン以上のランクである殺し屋が、才能ある一般人にスカウトすることで推薦試験を受けることが出来る。そこで見事合格すれば、殺し屋としての活動と毎月の特別報酬を手に入れることができる。
推薦型は隠れた才能の原石を発掘することが肝となっている。
そのため未だに殺し屋としての才能がありながらも一般人として紛れた者も一定数存在する。
ニチリンことアメイリの腕前は、並の殺し屋を超えている。
その実力はまさに最強の名にふさわしい櫻木と或時と同等か、それ以上のもの。
なにせ櫻木はいまだにニチリンに勝てたことなどないのだから。
さてと、どう攻略しようか。
実際アメイリさんはかなり強い。
その強さの理由が、チャージライフルやスナイパーライフルを刀のように扱うことではない。
問題なのが、あの人が持った武器は生きているかのように動く感じ。
ニチリンは弓を回したり、矢を人差し指を起点とし、回転させたりと、離れ業を癖のように行う。
本当にどうなってんだよ。
「アメイリさんってなんか武道とかやってたけ。」
「カポエイラを少しやれり。さほどなり。」
まったく弓とか関係ねえ。
「されどまあ、汝がつくりいだし癖人と同じ奴の増えしところで、驚きはあらず。」
「なんだろう。心に来るこというのやめてもらっていいですか。」
あきらかに2CH創設者の言い方に似ていたが、それを突っ込まないニチリンは、はたしてこれが伝わっているのかどうかわからないため正直櫻木は戸惑った。
そしてきちんと伝わっていなかった。
現にニチリンは首を傾げている。
「なら先手はこなたより。」
ニチリンはチャージライフルを構え、チャージを行う。
櫻木はそれを見て、すぐさま走り出す。
チャージライフルのチャージ時間の情報はない。
だがその一撃を防げれば、カウンターを起こしにくい。
櫻木は一歩踏み出したと同時に、水平に飛び、ドロップキックを行う。
「これに足る。」
するとチャージは完了していないにもかかわらず、ニチリンは発射した。
突如放たれた光線に、櫻木は攻撃を中断する。
そして体勢が崩れたが、奇跡的に光線に当たらずに済む。
しかし着地に失敗し、ニチリンはチャージライフルを鈍器のように振りかざす。
櫻木は槍でその一撃をガードした。
やば。あの武器重厚感がやべえ。
多分本気で振りかざされたら、最悪腕持っていかれる。
櫻木は槍を傾け、チャージライフルの軌道をそらす。
そこから槍を押し込むが、一匹の鳥が櫻木の視界を遮るように突っ込んでくる。
狩人のスキル、鳥の監視で出現した鳥にはダメージ判定は無いが、当たり判定は存在する。
そのため、鳥は櫻木に当たり、そのまま羽ばたかず、落ちていく。
一瞬の隙。それは両者共に理解している。
櫻木は槍を離し、正面蹴りをするが、ニチリンはそれよりも先に矢を持ち、櫻木の足を刺した。
さすが。前倒しの体勢から追撃。いやそもそも、俺が槍で防ぐのを知ってての攻撃か。
ニチリンは弓を持ち、櫻木に攻撃する。
弓の弦は刃となっており、切りつけることが可能。
櫻木はQのトランプを手に取り、盾に変える。
盾でその刃を防ぎ、後退する。
あぶねえ。
スキル JQKは同じ種類であれば複数出現することができるが、別の種類に変更する場合は、前の武器を捨てなければならない。
現在ジャックのカードが何枚あるかが分からない。イカサマシャッフルによってカードが捨てられた可能性もあるのだ。
じゃあどうするか。
スキルをうかつに使わずに、攻めるしかない。
櫻木は盾を大きく前に投げる。
盾はサイズ的にいえば体半分を隠すことが可能なサイズ。しかしかなりの重さがある。
要はそこまで飛ばないし、攻撃にしてはかなりの悪手だ。
だが避けるしかない。
「目隠しか。甘しな。」
ニチリンは盾に突っ込むように前進する。
盾が降ってくるが、ニチリンはそれをチャージライフルではじく。
盾はチャージライフルに当たり、ニチリンの頭上を通過。
すると、盾の先に櫻木はいなかった。
消えた。しかし短い時間でどのように。
「下だよ。」
櫻木は、ニチリンの真下まで潜り込んでいた。
もし元のモデルだったら足が視界に入っている。
だけどこのモデルなら死角に入れる。
男性と女性によるスペックの違い。
体の柔軟性や、筋肉量。そして体格など、様々な要素に違いが生じる。
骨格もそうだが、俊敏性や柔軟性はこちらのほうがよい。
まあその代わりに俺は今無生を撃つこともできない。あれは細胞凝固と筋肉質や量で威力も決まるもの。今放ってもただの強パンチにしかならない。
そして、この隙を俺は求めていた。
櫻木は両手を地につき、体を大きく上げてニチリンのチャージライフルを蹴る。
蹴りの威力でチャージライフルを後ろに持っていく。
そして櫻木はトランプを投げ、ニチリンの持ち手に傷をつけた。
チャージライフルがニチリンの手から離れる。
ライフルが離れた時、櫻木は隠し持った手りゅう弾を投げる。
これは手放さざるを得ないな。
手りゅう弾の爆発でニチリンは離れ、盾とチャージライフルは吹っ飛んだ。
これで、あんたの武器は消え去った。
さあどうする。
「さりか。されど疾かりき。いま少し削らまほしけれど、やるべしめりな。」
櫻木は感じ取った。
彼が、ニチリンが隠し持っていた本当の刃を。
「空羅魈。いかで我に固執す。我はなんぢよりし、何に見ゆ。」
「そうだね。まあはっきり言ったら、王かな。」
「王?」
「そう。王は今とは違う。覇道を行かず、血筋でのやり取り。そして結局消極的なものだ。でも、君は王の素質を持っている。すべてが完結する力であり、それを担うように徳がある。」
「俺が見た中で、お前はぶっ壊れてるぜ。」
なし




