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最強の殺し屋は引退した後ゲーム廃人になるらしいです  作者: ドンドコ
ガンフラ 6章 進む道。生まるる偽物の逸話
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武人 春雷 ⚡ビリ(ง ˘ω˘ )วビリ⚡

更新しないとまずいと思っています。

何なぜか体が布団に寄せ付けられてしまっている。

 曙はヌンチャクを回しながら櫻木に近づく。

 ヌンチャクを回す。一見手癖か武器を馴染ませる行為に見えるが、曙の場合ヌンチャクを回すことで、周りの環境を感じ取る。

 攻撃の射程や速さ、相手との距離、呼吸のタイミングといったものを感じ取っている。 

 そしてそれは、瞳の黒色化を経て開眼する十字の世界よりも精度は劣るが、開眼による情報ばれが少ない。

 曙が1歩踏み出した瞬間、勢いよく足を運び、櫻木との距離を詰める。

 櫻木はヌンチャクが上から来ることを察知し、真横に移動。

 ヌンチャクはビルの床を砕き、およそ半径30cmの歪か穴が作られた。

 床の下は霧が漂っている。

 ここから下に行けば死ぬ。

 じゃあここから移動しないと。

 「セコンドハンド。戦いにおいて1番の目的は、勝つことじゃない。詰めることだ。戦術を理解し、行動を予測する。それが詰める作業であり、勝つための必須条件。」

 そう言いながら曙は空中に舞った小さい瓦礫を櫻木の進行方向に投げる。

 すると櫻木は前方から来る瓦礫を足で防ぎ、壊さず勢いを殺した。

 サッカーのトラップのように受け止め、そのまま地面に落とす。

 そして落とした瓦礫を足場として使い、崩れずに残った屋上の一部に登る。

 「詰めるとか作業とか、まるで将棋だな。」

 「・・・将棋?なぜ。」

 曙はきょとんとした顔で櫻木に聞く。

 確かに俺も初見そう思ったよ。ない言ってんだろうなって。

 でもこの使い方は・・・あってはいないか。というかボードゲーム全般でも言えるしな。

 まあいいか。俺からすれば時間を稼げればそれでいい。

 櫻木はハンドガンを持ち、曙に発砲する。

 曙はヌンチャクを扱い、銃弾をはじく。

 その瞬間に櫻木は別のビルに移動する。

 窓を割り、廊下を走り回る。

 「それは、何の真似だ。」

 曙は櫻木を追いかける。

 櫻木は階段を駆け上がり、手に持ったハンドガンをリロードする。

 すると上から敵が迫ってくる。

 「ひゃひゃひゃひゃ。ここであったが百」

 「邪魔。」

 櫻木は目の前にきたプレイヤーの腹を蹴り、そのまま腰から持ち上げ、そのまま後ろに投げる。

 プレイヤーは階段を転げ落ち、曙の進路を妨げた。

 「くそ。」

 曙はヌンチャクを櫻木に投げるが、ヌンチャクの軌道がそれ、櫻木の横を通過する。

 ヌンチャクは壁に当たり、そのまま落ちる。

 それと同時にいちまいのトランプがひらひらと空中を舞い、ヌンチャクに重なる。

 曙は近づき、ヌンチャクを拾い、それと同時に重なっていたトランプを確認する。

 トランプは3のハートであった。

 櫻木はヌンチャクが飛んできた瞬間、空中でハートのトランプを当てた。

 イカサマシャッフルのスキルによるハートの効果。ヌンチャクの軌道を支配し、ずらしたのだ。

 櫻木はそのまま階段を上り、屋上まで走る。

 そして辺りを確認して、そこで止まった。

 曙は扉を開け、屋上に入ってくる。

 「ここは高層ビルじゃないが、よほどの高さがあるわけでもない。そしてほかのビルからも近い。そう考えたら、ここにとどまらなくてもいいもの。セコンドハンド。なぜここで止まった。どうして俺のことを待った。」

 曙は問う。櫻木は一呼吸おいてこう答えた。

 「いつまでも逃げるなんてことはないだろ。それとお前は勘違いしてるぞ。勝負は詰ますことが全てではない。それは戦略的かつ試合的なものだ。相手の行動を制限させ、自身の有利な土俵に持ってくる。でもそんなことが生死問わずの戦いにおいては正攻法じゃない。」

 「どういうことだ。」

 「曙。これは引退した最強からの一言だ。お前、殺し屋向いてねえよ。お前はまだ戦いのことを熟知した玄人でもない。ただそう思っているイキった素人だ。」

 冷徹な発言が、曙の心に刺さる。

 「セコンド・・いや、櫻木。」

 「さんをつけろよ。デコスケ野郎。」

 両者互いに走り、激突する。

 櫻木はハンドガンを捨て、スキルJ.Q.Kで槍を出現させ、それを武器として使用。

 曙はその瞬間黒色化に移る。

 的確に振るわれるヌンチャクを櫻木は槍で防ぎながら、リズムを崩し攻防を入れ替える。

 槍の持ち手が曙のみぞおちに入り、曙は倒れこむ。

 すると曙は一呼吸間を置くと、すぐに反撃した。

 しかしその攻撃は大振りであり、簡単に対処される。

 「曙。お前はあの十字に入らないのか。そうしないと、逆転は難しいぞ。」

 櫻木は笑顔でそういう。

 「うるさい。」

 曙はがむしゃらに攻撃を続ける。

 なんでだよ。なんで当たらないんだ。

 戦闘において一番大事なことは、相手が嫌なことをさせる。これは曙の言っていた詰ますという表現に近いが、少し足りない要素もある。

 行動を狭める。それはルールありきの勝負事なら通用する。

 しかし生死の戦いにおいてはそうではない。そこにはルールなんてものはない。何を使おうと、何を行おうと、相手を殺せばそれでいい。たったそれだけ。

 いくら行動を縛ろうと、それはルールが補助的な役割を持っているからであって、ルールという補助が消えてしまえば、予想不可能な行動も平気で行えるということ。

 それは今の状況を表している。

 曙は攻撃と防御。対する櫻木はそれに加え、あおりや逃げ、舐めプといった紳士のかけらもないことを平気で行い、曙の調子を狂わす。

 有利な状況を相手に認知させ、それを材料にし精神攻撃を行う。

 パフォーマンスの低下。曙の攻撃精度は落ちていく。

 そして曙には最大の弱点があった。

 彼は、十字の世界を扱えない。

ガンフラ豆知識

イカサマシャッフル ハートの効果について

ハートの効果は支配。銃をハートにかざすだけで銃弾の命中精度が向上したり、投擲具や近接武器に使うと、投げるときの軌跡に補正がかかる。また、体にかざすと、ダメージを軽減する効果もある。今回はヌンチャクが飛んできており、ハートの効果でヌンチャクの速度を変え、場所を少し遠くに変更させた。

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