ペンデュラムよ唱え (*´○`)o¶♪ラララー
今の所更新頻度は少し遅らせる感じにしていこうと思います。
戦闘開始から5分経過。
櫻木はもう一本のクナイとワイヤーを括り付ける。
それを振り子のように振る。
「催眠術かなにかか?それは。」
「別に。前に少し見ただけ。」
「あれは。陽無家の技。」
「知ってるのか。陽無。」
「まあ俺も数回程度しか見たことがない。なにせ意味の無い技だからな。」
「どういうことや。」
「そもそもあれは糸を使う技術が」
「当たり前だ。あの技自体、糸の技術の基礎たる基礎。というより自転車の補助輪みたいなものだ。ガイドとなる物体を括り付けて、振り回し方・糸の操作・伸縮具合を手に馴染ませる。それに慣れればガイドを取り外し、糸の技術をさらに発展させる。」
「完全に初歩中の初歩やん。じゃあそれをメインで使うやつは陽無のとこにもおらんかったん?」
「いるわけないだろ。お前補助輪外して自転車に乗ることができてもそのまま補助輪付け直すか。」
「そもそも自転車乗れない。走った方が早いからな。」
「どうしてこの例え話が理解出来たのだ。まあいい。ただセコンドハンドがそのような技を知っていることに意外だ。だからこそ。どうなるかは分からない。ただ。」
「ただ?」
「基盤としての役割は相当のものだ。素人ならまだしも、元とはいえ最強。使用すればどう化けるかは俺にも分からん。」
櫻木はワイヤーを振り回す。
回転の速度早めたり遅めたり、速度に強弱をつける。
すると或時は後ろに1歩下がる。
その時クナイは或時の首スレスレのところを通過する。
あぶねえ。今避けなかったら死んでたぞ。
そこからワイヤーがムチのようにしなり、先の刃は不規則に動き、或時を襲う。
或時はそのワイヤーによる連撃を避け続ける。
すると櫻木はワイヤーを後ろに持っていきそこからドロップキックを繰り出す。
或時は腕をつき出そうとするが、反射的に引っ込めた。
もし足を掴んでいたら、殴ろうとしていれば、また腕が破壊される。
櫻木は着地ししゃがみ、ワイヤーを上に動かす。
クナイが或時の肩を切る。それと同時に櫻木は発勁を繰り出し、或時の腹に衝撃を与える。
くそ。やりづれえ。
ワイヤーの速度の緩急。それと複雑な軌道を描いたクナイの存在。そしてその2つを表に出すことでタイムレス自身の攻撃も見えなくなっている。
自身を影として扱った戦い方。厄介すぎる。
どうする。瓦解を使うか。いやそもそもあいつはそれを誘っている。
或時はワイヤーを掴む。
すると櫻木はそのワイヤーを手放し、そのまま或時に突っ込んでいく。
或時はそのまま後退する。
ひとまずワイヤーは手に取った。これで動きは。
「それを待ってた。」
櫻木はその時複数の手に絡みついたワイヤーで或時を攻撃する。
こいつ。普通にワイヤー使えるのか。
だけどな。そんな動き。もう見飽きたよ。
或時は掴んでいたワイヤーを手放し、無生を発動させる。
その時櫻木はワイヤーを手に巻き付けた。
おいまさか。
十獄療法 丑裂
放たれたのは無生にワイヤーの技術を足した技であった。
両者の無生。威力は互角。だがワイヤーによる攻撃は或時の腕に傷をつけた。
そして櫻木は手放されたワイヤーを回収し、そのまま攻撃に移る。
或時はそのまま回し蹴りを行う。
櫻木は横から来る蹴りに警戒し避けた。
それもそのはず、櫻木は茨によるスキルでかなり体力が削られている。
たった一撃。先程の衝撃波はなんとかギリギリ耐えれるものではあったが、或時の一撃をくらえば結局のところキルされる。
或時も腕を破壊され片腕しか使えない状態であっても、櫻木はHP自体がかなり乏しいため、ピンチではある。
「お前。コピったな。」
「コピった?ああこの技ね。正直俺もできるとは思わなかったよ。まあ付け焼き刃であることは変わらないけど。」
櫻木は手に巻きついたワイヤーを取る。
ワイヤーは確かに頑丈だ。だがその頑丈さゆえ強く握りしめれば自身にもかえってくる。
櫻木の手のひらは傷だらけであった。それほど強く握りしめたのだろう。
「パクられたな。綺麗に。」
「ああ。だがやはり予想通りと言えば予想通りすぎる。丑裂は十獄療法のなかでも解の極。封の極を扱うほど難しかったからな。というより解と封以外はほとんどオリジナルのものが多い。習得に数年積み重ねたものをこうも簡単に行われれば、さすがに萎える。」
「それほど卓越してたってことでしょ。」
「だまっとけニート。」
明星はプルプル震え出す。
「でもこれで勝敗は分からなくなったな。」
櫻木はもう一度走り出す。
或時はここでカウンターを狙っての体勢にチェンジ。
片腕しかないこの状況。
もう手段はこれしか残っていない。
櫻木はスピードを上げる。
現在間合いはおよそ5m
すると櫻木はブレーキをかけた。
来たな。間合いは確保した。
最適な距離における最強の攻撃。その時不覚にも櫻木は或時が脳から抜けていた情報が入り込んだ。
櫻木は銃を構え、引き金を引く。
その時或時は櫻木の銃を殴り、破壊する。
銃が破壊された勢いで、櫻木の左半身は後ろへと向かう。
しかし或時の反射的な行動。その後先行を取るのは、櫻木の得意分野である。
櫻木はそこから反動をつけることで左ストレートを或時の腹にめがけてうつ。
無生となる一撃。或時はもう防御の姿勢に移行するには遅い。
すると櫻木の左拳に何かがあたる。
アタッシュケース。
アタッシュケースは櫻木の攻撃箇所に存在している。
或時はそれを手に取り、櫻木の攻撃の盾として扱った。
探偵道具による効果はアタッシュケースにも汎用される。完全不破壊のアイテム。それは盾としては十分すぎる代物である。
「もうこの手しか残ってねえ。」
嫌いなんだよなこれ使うの。
本当に嫌いだ。
「探偵九つ道具 神託」
アタッシュケースは形を変えていき、黒くゴツイアームへと変化する。
そしてそのアームは或時の両腕に装着される。
「刹那。もうこれしか方法がなかったんだ。もうこれ以上の良策はないってことだよ。」
「どういう意味だ。」
「決まってんだろ。神ってついてるとかえって嫌な気分になるんだ。自分自身を否定された感じがするから。」
或時はアームを動かす。
この時或時の両腕は動かすことができていた。破壊された腕も元通りになったかのようであった。
「でも。お前を殺す。神っぽいなまじな意味でよ。」
或時は砕けた銃を殴る。
その時銃の原型は消え去り、或時の傷が癒えていく。
「刹那の灯火よ。消え失せろ。」
或時は自身が掲げたモットーを口にした。
ガンフラ豆知識
アイテムの使用について
ガンフラではアイテム欄というものがあり、計3つまでアイテムとして扱うことが出来る。
また今回みたいなアイテムとアイテムを掛け合わせて作られたものは結局のことろアイテム欄は変わりはしない。
また、投擲具や回復アイテムには所持上限が設けられており、最大五つまで1個のアイテム欄として扱うことが可能。
ちなみに今回の場合。ワイヤー・クナイはアイテムではなく武器として扱われており、武器の場合メインかサブかを選べば複合したとしてもありとなっている。




